【黒バス男主】カラフル・モノトーン (ページ6)

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モノクロ「色」ページ6

試合の最中、俺は、俺のことをマークしてくる〈黄〉を見上げる。

あの頃と変わらない目、あの頃とは違う顔。

黄瀬「でも俺、Aっちとバスケがまた出来て嬉しいッス!」

ついさっきの俺の言葉も忘れてしまったかのような笑顔。

【あんなこと】を経験して、それでもまだ俺とバスケをして「嬉しい」と?

吐き気が込み上げてきて、眉間に皺が寄る。

反吐が出る、そんな綺麗事は。

嘘なら嘘と、はっきり言えば良いだろう?

辛うじてパスが回ってくる。

いつもの微笑みを貼り付けて、〈黄〉に囁く。

貴方「〈オウ〉。退いて」

すると、驚いたように〈黄〉が目を見開いた。

刹那、俺はドリブルで〈黄〉を抜いていた。

海常の皆も、緑ヶ丘の皆も、2階にいる皆も、

悠莉を除いて、皆が口を阿呆面で開けた。

そのまま、ダンクシュートを決める。

ボールが床に落ち、幾度か跳ね、隅へと転がる。

静寂が体育館に満ちた。

その静寂を切り裂くように、2階から声が聞こえた。

悠莉「A、ナイッシュ～」

呑気な声につられて、他の皆もそれを反復する。

〈黄〉が此方へと近づいてくる。

黄瀬「懐かしいッスね、そうやって呼ばれるの」

モデルになれるほどに整った端正な顔が、歪む。

黄瀬「いつからだっけ、俺達のこと、色としか視なくなったの」

俺は、目を細め、口角を上げた。

心の底からの笑いだ。

貴方「さぁ、いつからだったっけね。君達のこと、色としか視えなくなったの」

わかりきっていた。

俺達が、〈白〉と〈黒〉に変わった時。

〈虹色〉から、〈鈍色〉へ変わった時。