【黒バス男主】カラフル・モノトーン (ページ5)

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モノクロ「黄」ページ5

～体育館～

『ｷｭｯ』
シューズの擦れる音、

『ﾀﾞﾀﾞﾑｯ』
ボールを床につく音、

『ﾊﾞｼｭｯ』
ゴールが決まる音。

どれも、懐かしく思う。

貴方「中学以来かぁ...、大して経ってないのに、鈍ってそうだな...」

一人心地に呟くと、俺を誘った本人の「杉谷雅哉」が俺に駆け寄ってきた。

杉谷「おいA、もうすぐアップの時間始まるから並んでくれ。PFで良いんだよな?」

貴方「あぁ...」

ユニフォーム姿になって、ふと2階のギャラリーを見る。

相手の高校がまだ来ていないというのに、既に人が集まっていた。

悠莉「Aファイト～」

同居人の応援に、手を上げて応える。

『ｷﾞｨｨ...』

鈍い音と共に、相手高校が入ってくる。

杉谷「今日の対戦チームの、海常高校だ」

笑顔の杉谷とは反対に、俺の顔が曇る。

貴方「海....常?」

【キセキの世代の黄瀬涼太を獲得した海常高校と、同じくキセキの世代の青峰大輝を獲得した桐皇高校の____】

____まさか、なんて思うくらいなら、止めとけば良かった

黒髪や茶髪の隙間に覗く、眩しく、目障りな「黄」。

此方を見て輝く顔も、

駆け寄ってくるその仕草も、

「Aっち!」
喧しいその声も、

全てが嫌だ。

目障りで、耳障りな〈ノイズ〉のようだ。

____来るな、

黄瀬「久しぶりッスね! うわぁ、変わってないッスね!」

____触るな、

黄瀬「今日はオレ、スタメンなんだ! よろしくッス!」

____見るな、

黄瀬「っていうか、Aっち、バスケ辞めたんじゃ___」

貴方「あぁ、辞めたよ。今回はただの『助っ人』なんだ。君とバスケやるのはこれで最後。次に緑ヶ丘高校とバスケする時には俺はいないよ」

突き放すように言えば、少し目を見開いて、フッと息を吐く。

黄瀬「バスケ、やっぱり、嫌いなんスか...?」

貴方「まさか」

思わず笑いが込み上げる。

それに安堵したのか、一瞬笑いかけた〈黄〉に、囁く。

貴方「嫌いなのは『バスケ』じゃなくて、君達『キセキの世代』なんだよ」

〈黄〉の顔が、歪に歪んだ。