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血が足りない僕は結局森さんに抱っこされ、連れてこられたのは古い建物。
『…あの、ここってもしかして…』
森「ん?あぁ、そうだよ、私とAちゃんが会ったところだよ。」
森さんは僕の質問をくんで、答えを言ってくれる。
『はぁ…もう無闇矢鱈と歩くのは辞めよう……』
森さんの案内で病室へと入る。
つん、と香る消毒液の匂い。
それに混じって、少し血の匂いもする。
『怪我人でもいるんですか?』
奥を指さしながら森さんに問う。
森「今は1人。昨日自i殺未遂で運ばれて来た患者がいるよ。」
『(それ、もしかしなくても太宰治では…)』
ここで辻褄があってきた。
『(…スタートが、青の時代からなんて僕は聞いてない…)』
だから神様は僕の年齢を下げたのか、と少し納得。
それから仕事内容などを森さんに説明してもらい、森さんの異能力であるエリスちゃんにも出会った。
話が一段落してから、森さんから出されたケーキをエリスちゃんと森さんと一緒に食べる。
そんな中、ガチャっとドアを開け入ってきたのは包帯を無数に巻いた患者…やはり太宰治だった。
森「おや、起きたのかい?具合の方はどうかね?」
太「…あんた?僕を助けたの」
死んだような目をしながら太宰は森さんを睨む。
森「患者として運び込まれてきたからねぇ。」
太宰はそれに対してひとつため息を吐いて、今度は僕に目線を向ける。
太「そこのちびも患者?」
『僕は怪我はしているが患者じゃない。森さんから雇われている者だよ。』
自分から聞いてきたくせにふーんと興味なさげに返事をする太宰。
そしてきょろきょろと辺りを見回す。
太「……」
僕の手元に目が止まったかと思いきや、つかつかとこちらへ歩いてくる。
僕の目の前まで来た太宰は僕の手に持っているフォークをぶんどり、それをまじまじと見る。
『それで死のうとしても苦しいだけだよ。』
太宰は僕の言葉に目を見開く。
太「なんで僕が今これで死のうとしたって分かったの。」
疑問符のついていない質問をする太宰。
『君が自i殺未遂患者だと聞いていたからね。君が手に持っているそれでも充分死ぬことはできるしね。』
太「君、なんて名前?」
唐突にそんなことを聞いてくる太宰。
『僕は守矢A。君の名前は?』
太「太宰治。」
そう、と返事をして1口お茶を飲む。
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かないろろ(プロフ) - 高評価押しました!味の保証はしません()明日香ちゃん推しになりそう… (5月2日 0時) (レス) @page11 id: 838d77be55 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - AKuRuSuさん» 高評価ありがとうございます(笑)この高評価、ばかうまいです! (2021年6月12日 20時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
AKuRuSu(プロフ) - 高評価です!美味しくいただいてくださいね。 (2021年6月11日 21時) (レス) id: ce85f22cc6 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃねこ(プロフ) - よかったです! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 7a16543b0a (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - ちゃちゃねこさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ美味いです。 (2021年4月3日 21時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麗夜 | 作成日時:2021年2月6日 23時