30 及川side ページ31
あんな嬉しそうな顔しているAちゃん初めて見た。やっと俺たちの前でも笑うようになったのに、今まで見たことのない頬ゆるゆるのかわいらしいAちゃん。
あの顔を向けているのが俺じゃないのは気に入らない。
「それにしても、赤葦は落とすの大変な子に惚れちゃったね」
「そうだよね……てっきりあの誰かと付き合っているかと思ってたけど、違うみたいなら勝機あるかな〜」
「ねぇ……あの誰かって誰のこと?」
座りながら雑談していたマネージャーたちに疑問に思ったことを聞いた。
するとキョトンとした顔をした二人が俺を見つめる。
「あー……及川くんもバレーしか興味なかった感じなら知らないのもわかるけど、東京じゃ結構有名だよ?」
「うん。Aちゃんはね〜帝光中のバスケ部だったんだ。そこのレギュラー陣の誰かとできているんじゃないかって〜緑間真太郎、青峰大輝、紫原敦、黄瀬涼太そして…赤司征十郎。この誰かとね」
「そうなんだ…わかった。ありがとう」
無理やり彼女らに笑いかけその場を去った。
Aちゃんがマネージャーやっていたことは知っていた。でも、彼女が東京からきていたのかなんて知らなかった。
いや、そもそもAちゃんについて知らないことが多すぎる。
体育館に戻ってきた上機嫌なAちゃんを見るとどこか落ち着かなかった。
「岩ちゃん達Aちゃんって東京からこっち来たって知ってた?」
近くにいた岩ちゃんたちに聞くと三人とも何言ってんだこいつみたいな顔で見てきた。
「俺は知らなかったけど同じクラスの砂井がバスケ界じゃ知らないほど有名なマネージャーとは聞いた」
「俺らは知らなかったぜ」
「それが今更どうしたんだ?」
まっつんはどうやらクラスメイト経由で知ってるみたいだけど、やっぱりみんな知らないんだ。
「なんか寂しくない?Aちゃんは俺たちのことよく見てるし知ってるけど俺らは何も知らないんだよ?」
胸の奥が痛い。ジリジリと太陽で燃やされてるみたいだ。
「おい、クソ川。そんなの今から知っていけばいいだろうが。」
「そうそう。それに俺はAちゃんが一生懸命でいつもおれらを支えてくれているのは知ってる。」
「そういうこと。Aちゃんのことだから聞かれなかったから言ってないって答えそうだし。」
岩ちゃんにマッキー、まっつんが答えてくれた。
そうだよね。Aちゃんのことはこれから知っていったらいいんだ。
そう誓い部活を再開した。
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みなみ(プロフ) - すごく面白かったです!最新きながにまってます! (2021年5月5日 0時) (レス) id: cc9951f69a (このIDを非表示/違反報告)
KIHARU(プロフ) - ちょこれえとさん» ありがとうございます。 (2020年1月2日 7時) (レス) id: f7a2f8183b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと - めっちゃ面白いです! これからも頑張ってください!! (2019年12月31日 22時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KIHARU | 作成日時:2019年8月14日 19時