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月と社と人食い鬼と ページ4

宿へ案内された炭治郎は娘に礼を言って別れた。

宿は決められたが、夜の間鬼殺隊の炭治郎が休むわけにはいかなかった。

すぐに自分の鼻や街で聞いた話を頼りに鬼を探しに出かける。

すんすんと鼻を動かし、懸命に鬼の匂いをたどる。

表の通りから、畑への道、そして社への道へと順々に巡っていく。

すると、あの鬼特有の匂いが、炭治郎の鼻を掠めた。

「これはっ!」

(ほんのかすかにだけど、確かに鬼の匂いがする!)

炭治郎は匂いの方角に向けて一直線に駆けた。

匂いは、娘が昼間行っていた社の方角からした。

山の中にある階段を駆け上がる。橙色の提灯の明かりに照らされた炭治郎の顔には汗がにじんでいた。

一気に駆け上がり、見えた先には、大きな社があった。

綺麗に整備された石畳に、砂利、ご神木。神聖な場所であるこの場所に、いてはいけないもの。

鬼が、そこにいた。

「っ!!」

すぐに日輪刀を鞘から抜き、鬼へ刀を向けた。

しかし鬼は何かに気を取られているのか、炭治郎の方を向かなかった。

(何を.....。)

すると、すぐに別の匂いがあることに気がついた。

目を向けると、鬼に立ち向かう、少女の姿があった。

(人だ!!)

鬼が大きく腕を振りかぶる。

「危ない!!」

炭治郎の声に、少女ははっとした表情で炭治郎を見た。

「その子から、離れろおおおお!!」

ざくり、と鬼の腕を叩き切る。鬼は突然の刺客に驚いてよろけた。

その隙に、炭治郎は自分の背後に少女をかくまった。

「大丈夫!?」

「......はい。」

少女が怪我をしていないことを確認して、改めて刀を構える。

鬼はすでに切られた腕を回復させていた。

「邪魔だ!邪魔だ邪魔だ邪魔だ!!」

怒りに震え、そうつぶやく鬼は、まっすぐに炭治郎を睨んだ。

「そこをどけええええええ!!!」

牛のように角を突き出し突進してくる鬼に、刀を構える。

(全集中・水の呼吸 壱ノ型)

ぐっと足に力を入れる。

(突進してきたところに刀を打ち込む!)

すると、まっすぐ突進してきているはずの鬼が、急に体勢を変えた。

「!!」

すばやく移動し、炭治郎を翻弄した鬼は、炭治郎の背後に回り込み、飛び上がった。

(まずい!背後には、あの子が!)

慌てて体を捻る炭治郎、しかしそこにあの女の子はいなかった。

鬼へと視線を戻すと、月に照らされた鬼。

口を大きく広げる鬼が、自分に飛びつこうとしていた。

鬼狩りの巫女→←巫女様



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フジッピー(プロフ) - かなとさん» すみません。言われるまで気が付きませんでした。ありがとうございます。 (2019年9月19日 0時) (レス) id: 7e2904e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月18日 12時) (レス) id: bb9d67c977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フジッピー | 作成日時:2019年9月18日 12時

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