【HQ】国見くんをからかいたい。【国見英】

からかいたい、にじゅういち ページ22

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私は慌てて担当の掃除場所へと向かった。



「ごめん！」



と扉を開けると、箒を持って面倒くさそうに掃除してたのはなんと国見くんだった。


どうやら、ここの掃除担当は私と国見くんの2人らしい。



「遅い。どこ行ってたんだよ」


「及川さんのところ〜。お弁当分けてもらってたの」



国見くんがそう首を傾げるから、私が正直に答えると国見くんは不機嫌そうになって、



「ま、いいけど」



と背中を向けてしまった。私は少ししょぼん、としながら窓でも拭こうかとバケツが辺りにないか見渡した。



「あ、」



そして、掃除用具のロッカーの上にそれを見つけて、私は背伸びをしてバケツを取ろうと手を伸ばす。

でも、あと一歩のところで届かない。



「ん〜…！、」



その時。後ろからひょいと国見くんの手が伸びてきてバケツを手渡してくれた。その背の高さにきゅん、と胸が鳴ったのを感じる。



「はい、」



「ありがとっ。国見くんって結構優しいよね」



「……どういう意味？」



私がにこにこ微笑みながら言うと、国見くんは眉を潜めながらも聞いてきた。



「ほら、なんだかんだ部活も映画も飴も今日のお弁当も。全部国見くんはいいよ、って言ってくれたり助けてくれたりしたから！」



ほんとにいつもありがとね、と私が言うと国見くんは長いため息をついて「……やっぱり、馬鹿だな」と笑った。



そして、その後に何かを言った気がしたけれど、それはあまりに小さすぎて聞こえなくて。



「ちょっと！また馬鹿って言った！」


「早く掃除やってくださーい」


「もう！」




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「アンタだけだよ、そんなの」

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