96、獏が消えた意味 ページ49
賢治の説明からすると、確かに特徴は獏に似ていた。
ずっと黙っていた国木田が口を開く。
「そんな幻の生き物が何故、急に俺たちの部屋に現れたのだ。理解できん」
「もっともな疑問だねぇ」
太宰も同意した、その時。
「おっと」
太宰の体に白い生物___獏がぶつかってしまった。
その瞬間、太宰の周りを光の文字列が包む。
「これは…」
「なに?」
「え?」
「どういうこと?」
シンと静まり返る探偵社。
光が消えると、獏は"何処にも居なくなっていた"。
「私の異能が発動した…」
ということは。
太宰は考え込む。
そう、彼の異能力は『他の異能力を無効化する』
それが意味することは、
「あの獏は……異能ということだね」
「怨霊じゃなくて良かった……ッじゃなくて。
ゴホンッ、詳細は後で考えるとして、あれは誰の異能だ?」
確かに、異能だとしたらその持ち主がいるはずだ。
国木田の疑問に、皆がそれぞれ顔を合わせる。
最終的に視線の先に集まったのは…
「わ、私!?」
Aだった。
「他の皆は異能がある。となると残りはお前だけだぞ」
「え、でも…えぇ?」
突然すぎる。
今まで異能がある気配なんて全く無かったのに。
国木田が眼鏡を押し上げて言う。
「乱歩さんが居れば一瞬で分かるだろうが…昨日から社長と一緒に九州へ出張しているからな」
「んー、Aちゃんの異能だというのは多分確定だね。でも詳細が分からないから今のところは様子見かな?」
その瞬間、ゾクリと寒気がして咄嗟に兄の後ろに隠れる。
「じゃあ妾が解体して確かめてやろうか」
予感が当たった。
Aは中々に勘が鋭いらしい、捕まえられなかったことに与謝野はチェッと不貞腐れる。
「お兄ちゃん代わりに解体されてきて!」
「絶っっっ対に御免だ」
数分後、Aが与謝野に追いかけられている様子が目撃されたらしい。
「獏を出現させる異能力、か…」
運命の歯車がさらに加速していることを、少女まだ知る由もない______
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時