83、治療完了 ページ36
「…あっ」
色っぽい声と共に治療が終わり、医務室の扉が開かれる。
中から満足げな与謝野が出てきた。
「ふぅ…妾好みの良い悲鳴だったねぇ」
その額にはきらきらと汗が滲んでいる。
「ああ…Aちゃんの悲鳴気に入っちゃったよ…」
敦が憐れんだ。
「今度録音しようかな」
「与謝野先生それは…」
「ついでに動画もまわして」
「もっと駄目ぇぇぇ!」
谷崎が叫んだ。
その時、ゆっくりと医務室の扉が開く。
「…あれが地獄か…」
艶々した体にげっそりとした表情のAが医務室から出てきた。
チャームポイントの金髪はボサボサになり、エメラルドの瞳からは光が消えていた。
「これでも優しくした方さ。初めてだからね」
副音声で「次からは容赦しないよ」と聞こえた気がして、Aはぶるりと体を震わせる。
「ただのかすり傷だったのに…」
「分かる…その気持ち凄く分かるよ…」
「…嫌なことされると暴言吐いちゃうことが分かった…」
「しっかり馬鹿医者って叫んでたね」
谷崎は何故か泣きながらAの背中をさすっていた。
感情移入のし過ぎである。
この日から二人の距離は、ぐっと縮まったらしい。
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時