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50、かすかな音 ページ3

まず第一に、私はどうしてこんな場所にいるのだろうか。
直哉と話したあとからの記憶がないから……




『気絶…させられた?』




でも、どうしてそんなことをする必要がある?
グルグルと状況を整理していくうちに、段々と思い出してきた。




そういえば、直哉はこんなことを言っていた。




『僕は国木田独歩を殺したい』




『この二年間ずっっと考えてた。どうやってを殺してやろうかってね』




“殺したい”




彼は確かにそう言った。
そうなると、ここに私を連れてきたのは兄をおびき出すため…だろうか。
心臓がバクバクと生き物のように動くのが分かる。




『誰かを失うのが怖い。私には、お兄ちゃんだけなんだから』




とにかく、今の状況は何となく分かった。
うねる心臓を落ち着かせるように頭をフル回転させる。




私は昨日の夜、公園で直哉に気絶させられた。




そして、詳細は分からないが兄をおびき出すためにこの場所に連れてこられた。




今、兄と直哉が話しているということは、いつ兄が殺されてもおかしくないということ。




何か、私にできることはあるだろうか。




『私にはお兄ちゃんだけだもん。絶対に守る。……絶対に、失いたくない』




寝たふりをしながら、心のなかで固く誓った。
しかしこの状態からどうすれば国木田を守ることが出来るのか。




『私が今起きたところでなんの役にも立てない』




どうする、どうすればいい。
Aは頭をフル回転させる。




その時、彼女の寝ているすぐ横から、かすかな音がした。
Aは視線を向けるが、部屋の扉が開いているだけだ。




しかし次の瞬間、彼女は目を微かに見開いた。
そして態勢はそのままに、耳をすます。




かすかな音を拾うために、Aはジッと耳に意識を集中させた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 国木田独歩   
作品ジャンル:アニメ
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時

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