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65、葛藤 ページ18

「国木田くんの説教が終わった!早速入水をしに行こう!」




「太宰さんそれは止めてください」




国木田の説教が終わったのを良いことに、喜んで席を立とうとする太宰を止める。




「えぇ〜じゃあAちゃんの美しい指で私の首を締めてくれないかい?」




「無理です嫌です絶対に」




「冷たいなぁ…しかも最近のAちゃん、私の扱いに慣れてきた気がするのだけど」




「気の所為だと思いますよー」




最近は毎日こんな調子で心中やらなんやらを申し込まれるのだ。
最初こそ狼狽えていたが、毎日となると嫌でも太宰の扱いに慣れてしまう。




「…太宰さん、お兄ちゃんが最近素っ気ないんですけど。どう思います?」




「うーん、そう言われれば素っ気ない気もするし、しない気もするし〜」




「どっちですか…」




椅子の背もたれにもたれ掛かって答える太宰をジト目で見つめながら呟く。




「もういいです。私きっとお兄ちゃんに嫌われてるんだ…」








「それはないよ」




突然、静かな声が耳に届く。
顔をあげると、さっきまで背もたれに体を預けてヘラヘラしていた太宰がこちらを見ていた。
その真剣な眼差しから目が離せない。




「国木田くんはAちゃんのことを誰よりも大切に想っているさ」




「でも、だったらなんで」




「知りたいかい?」




「…」




答えられなかった。
知りたいけど、知りたくない。
そんな矛盾が心の中を埋め尽くす。




もしも、本当に私のことが嫌いで避けていたとしたら?
四年間連絡が取れなかった理由は何?




『国木田独歩はお前のことを捨てたんだ』




直哉の言葉が頭の中に響く。




『お兄ちゃんが、本当に私のことを捨てたのだとしたら。
もしそうだったら…』




一瞬で負の感情に支配されてしまう。
自分は今"どうしたらいい"のか。
自分は今"どうしたい"のか。




本当の気持ちでさえも、分からなくなってしまいそうだった。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 国木田独歩   
作品ジャンル:アニメ
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ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです!これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです!!この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!!!! (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年12月18日 22時

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