62、最悪の目覚め ページ15
自分は今寝ているんたろうな。
だって、ふわふわポワポワする感覚が気持ちいい。
白くて暖かい光の中、まるで揺りかごに乗ってるみたいで。
『小さい頃から怖い夢ばかり見てたから、この感覚は久しぶりだなぁ』
このままずっと眠っていたい…
そう思った。
しかし、その心地よさは突如として崩れ去る。
「火事だぁぁぁぁぁ！！」
鼓膜が破れそうな程の大声に慌てて跳ね起きた。
「な、何！？」
火事！？どこだ、どこで起きた！
グリングリンと首を回していると、隣で笑い声がした。
「あっはははは！」
「良かったやっと起きた！」
「…え、なに？」
そこに居たのは太宰と敦だった。
敦は困り顔でこちらを見つめ、
太宰はお腹を抱えてヒーヒー笑っている。
「……火事はどこ？」
「ひぃ…はぁ面白い！
ごめん、火事は嘘だよ。Aちゃん全く起きないんだもの」
「私が？」
「A、ほんと何やっても起きなくて気絶してるのかと思ったくらいで！」
「えー全然記憶にゴザイマセン…」
「揺らしても叩き起こしても全然反応ないから私心配しちゃったよ」
自分はただ心地のいい夢を見ていただけだ。
二人の話だと、かれこれ十分以上は自分を起こそうと奮闘していたらしい。
「それは…なんかすみません」
その時ふと横を見て気づいた。
「お兄ちゃんは？」
「先に探偵社に行ったよ。朝ごはんは作ってあるから、Aちゃんは食べてから来てだって」
「…そうですか」
太宰はちゃぶ台を指差す。
そこには一人分の朝ごはんがのっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぺぽん(プロフ) - めろ。さん» コメントありがとうございます、そう言っていただけて飛び上がるほど嬉しいです！これからも楽しく読んでいただけるように頑張りますね🙌 (2023年1月15日 5時) (
レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 国木田くんの夢小説あまり見かけないのでこの作品に出会えて嬉しいです！！この作品大好きなのでこれからも更新頑張ってください！応援してます！！！！ (2023年1月14日 23時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぺぽん | 作成日時：2022年12月18日 22時
