【◇】一目惚れ (ページ35)

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一目惚れページ35

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不ッ細工な顔を訂正するように
水と洗顔用の泡で洗った。

やっぱり、どうやっても寝起きの状態は不細工だった。

あちこちに跳ねた髪の毛
見開ききってない半目
カッサカサだった唇
微妙な感じではだけたパジャマ

どう誰がこれをみたって、
0点をつけるであろう姿。

我に帰ると、とてもじゃないが恥ずかしい。

はぁ…っと気を落としながら
リビングへ戻ると、朝ご飯の香りが鼻をくすぐる

これだけでテンションが上がってしまう私は
相当な馬鹿野郎で、相当御幸くんに溺れてる。

『ただいま戻りましたぁ』

「はいはい、食べよ」

『あ、お箸の場所とか分かった?』

「おう何となく開けたらあった」

『そりゃよかった』

本当、新婚みたい。
我ながら良いことを思った。

へへへっと二ヤケながら
御幸くんの作ったお味噌汁を口にした

『うっま!!!!!!!!!何これ…』

「たかが味噌汁でその反応は嬉しいな」

ふはっと笑う御幸くん
驚きが隠せない私

どうやら今日も、良い1日になりそうです。

『え、ちょっと何入れたの?隠し味とかあるの?』

「冷蔵庫に梅があったから入れた」

『…ほんとだ、これ梅だ…美味しい…』

「たまには少し違う味噌汁もいいだろ?」

『なんという事でしょう…』

味噌汁に梅を入れるという概念が
私には無かったからか、吃驚だ。

本当に彼は料理をよくするみたい…

夫と妻っていうか、彼氏彼女の立場が逆な気がしてならない。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿幸せだけど何だか複雑な気分