一目惚れ ページ27
.Kazuya
この寒い中、アイスが食べたいと言い出し、
俺はその付き添いで高嶺に着いていった。
案の定外は激寒い。
鼻や頬、
衣類からはみ出ている部位は
どんどん冷えていった。
高嶺が少し空を見上げると、
その後すぐに足を止めた
「凄い…綺麗」
『ほんとだ…月綺麗だな』
ただ、普通に、思った事を口にだしたつもりだった。
でも俺はその言葉の重みを、
言った後に気付いた。
勿論、時既に遅し、だった
沈黙が続く中、
高嶺は顔を赤くした。
違う。きっと、寒さのせいだ。
そう俺は何度も唱えた
重い沈黙を破ったのは高嶺だった
「さむっ…速くアイス買いに行こう!」
『お、おぉ…』
高嶺は、何も無かったかの様に
にこっと笑って歩き出してしまった。
その時、ずき、と心が痛んだ。
これもきっと寒さのせい…
そう思いたかったんだ。
でも、本当は違う。
俺は悲しかったんだ
その時は、寒さのせいにしたかった。
今思えばそれは真っ赤な嘘
『高嶺。』
「ん〜?」
先を行く高嶺の名を呼ぶと
彼女は関係なく、
振り向く事もせず、返事をした。
きっと、それが彼女の答えだ。
『…寒いな』
「ふふっ今の間はなんだったの」
『んー俺もわかんねぇ』
「えへへ」
2人で歩く道の途中で
白い雪が降ってくる。
徐々に積もっていく雪を
俺たちは踏み潰していく。
寒い。
_________言ってからの後悔
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作者名:とーりお x他3人 | 作成日時:2016年9月16日 20時