【◇】一目惚れ (ページ22)

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一目惚れページ22

．Kazuya

その日はあっという間に過ぎていき
疲れて寝て、

起きたら12時過ぎ。

リビングに行くと、朝ご飯と
可愛いメモに
小さく可愛らしい字で

おはよう。
昨日はお付き合いどうもありがとう。
疲れてるだろうから、ゆっくりしてね

朝ご飯作っておいたから電子レンジでチンして食べて下さい

今日は7時頃帰ってくるので
お腹が空いてたら先に何か食べててね。

いってきます
(家を出る時は、この鍵を使ってね)

A

『…可愛い』

こんな律儀にメモ書きして
朝ご飯も用意してあって。

今の俺はきっと、幸せである

嬉しい楽しいの日々で
騒がしいけど面白くて
なんとも幸せだと、実感できる

でも今日はしっかり彼女とケリをつけなければいけない。

連絡を取る事すらも
少し躊躇って、なんだか嫌だった。

『もしもし。』

「一也…どこ行ってたの?私心配して…」

『2時に家行くから。
心配とか、してないくせに言わなくていいよ。じゃ』

ﾌﾞﾂｯと電話を切って
色々済ませて家を出た。

家の前に立って、手を強く握って
インターホンをおした。

中から、開いてるよ。という声が聞こえて
扉をゆっくりと開けた。

「一也…あの、ごめん…」

『ごめんって…今更言われても困るんだけど。』

「…ごめんなさい」

『…俺にも悪い所があった。から、どっちもどっちだよ』

俺は顔も見ずに
荷物を鞄に放り込んでいった。

「ねぇ、やり直さない?一から全部。」

『ごめん。それは無理だわ。
きっと俺はこれからも野球三昧な日々を送る。
だから、多分連絡なんて取ってらんねんだわ

やり直しても変わらない気がする。
俺も、お前も。』

「でも、そんなの決まったわけじゃ…!」

『分かるんだよ。なんとなくだけど。
もう、俺の事は忘れて違う男と幸せになれよ。

じゃ。ごめんな、優しくない男で』

家を出る時、
少し笑って謝った。

言いたいことは全部言った。
もういい。

終わったんだ。

そう思った時、少しだけ心がすっとした

＿＿＿＿＿＿＿＿切り替えが速いタイプ