【◇】一目惚れ (ページ15)

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一目惚れページ15

．

騒がしく
わーわー騒いでいた私達を

俊くんが宥め、
一旦カフェへ入った。

「へぇ～知り合いだったんだぁ」

『私全然分かんなかった…』

「うん、俺も」

少し苦いブラックコーヒーが
私ののどを通って
胃へと落ちてゆく。

入ったカフェは
コーヒー本来の香りが
店内を漂っていた

いい香り。

「ま、何でも良いじゃん?ところでさ」

『どうしたの?』

「2人付き合ってんの?」

『ぶっ…』

「うわ汚い」

そうだ。
俊くんに話していなかった

忘れていた…

『つ、付き合ってない。』

「へぇ～ふ～ん」

「俺がさ、彼女の浮気現場みちゃってさ」

御幸くんが
コーヒーをちびちび飲みながら
ゆっくり順を追って話した。

こうやって聞くと、
なんだか可笑しい。

浮気現場を見た見知らぬ男を
女の私が自分の家に招きいれるなんて
凄いおかしい話だ

なんか、笑っちゃう。

「Aちゃん笑ってるよ」

『いや、ごめんごめん。可笑しいなぁって』

「うん、相当可笑しいからね?」

「まぁそんなわけで俺は高嶺んちの居候。」

「うん、うん。」

ｸｽｸｽと笑ってる内に
話は終わりを告げていた。

俊くんは眉をハの字に下げ
コーヒーを口にしながら
私の方をじっと眺めた。

「まぁAちゃんがいいならいいんだけどさ」

『私は全然構わないの。1人、なんか嫌だったし』

「俺は申し訳ない気持ちしかない」

『それにしては口は偉そうですけど。』

「はっは。それは元々」

「…まぁ、いいんじゃね?」

鼻から息を吐いて
俊くんは面倒そうに言った。

『なんか、俊くんお母さんみたい』

「お母さんみたいなもんだよ」

頭を優しくなでると
御幸くんの方に向いて

「彼女とはどうすんの?
しっかりとは別れてないわけだし。

そこが聞ければ俺はいいよ」

「明日にでも会いに行って終わらせるつもりだよ。」

「…そ。まぁくれぐれもスキャンダルには気をつけろよ～
じゃね、Aちゃん

近々家行くから～」

『ばいば～い』

お会計のレシートを
ヒラヒラさせて俊くんは帰ってしまった。

『なんか、お見合いみたいだったね』

「微妙に緊張した」

『ふふっお疲れ様。』

＿＿＿＿＿＿＿疑似お見合い