お仕置き*七海健人* ページ3
七「………………遅い………………」
時刻は23時。
七海とAは同棲しているのだが、Aが一向に帰ってこない。
何時もは帰る時お互い連絡をするのだが、それも無い。
カチ……カチ……と、壁に掛けてある時計の針だけが鳴り響く。
彼女は、七海を慕っている後輩、猪野琢真と同期だ。
今日はその猪野と任務の筈だが、猪野に連絡しても繋がらない。
あの2人だ、浮気は有り得ない。
消去法で考えると、こんな職業だし、何かあったのではと余計心配になる。
七「……やはり呪術師はクソですね……」
誰もいない部屋で、ポツリと呟く。
心配がピークに達した七海は1度高専に出向こうと思い、リビングの椅子から立ち上がり、車の鍵を手に取り玄関へ向かう。
すると、タイミング良く扉が開いた。
『ただ……わ、健人さん!』
七海の気持ちなど知らずに、何処か行くんですか?と呑気に聞いてくるA。
七「……はぁ……。一先ずおかえりなさい。……で、何故連絡くれなかったんですか?」
『……あ……』
明らかに怒っている七海に、ビクリと肩が跳ねる。
Aは、鞄の中からおずおずとスマホを出し、七海に手渡す。
『……充電……切れちゃって……』
七「……あぁ、本当ですね……」
『任務……長引いて……!かっ……帰りの車の中で琢真にスマホ借りて連絡しようと思ったんですけど……2人で……寝こけちゃって……』
ごめんなさい……と、俯くA。
すると七海は、はぁ……とため息を零した。
怒らせた、嫌われたかも知れないと、Aは段々と涙目になってきた。
七「……怒ってないですよ。ただ、心配だっただけです。充電が切れていたなら仕方が無い」
それを聞いたAは、ホッと肩を撫で下ろす。
七「……とはなりませんよね」
『…………へ…………?』
思わず顔を上げ、七海を見上げる。
まだ涙目だ。
七「……いいですね。その顔もそそられます」
『……え、あの……』
七「私を心配させたんですから、お仕置き、必要ですよね」
『……っ……。……ぅわっ……!?』
七海は1度Aの唇にキスを落としてから、靴を脱がせ、横抱きで部屋の奥へと進む。
『あの、なにをっ』
七「"お仕置き"です。覚悟してくださいね?」
七海は寝室の扉に手をかけ、電気も付けずにそのままベッドに直行した。
その後Aは、モバイルバッテリーを持ち歩く様になったのは言うまでもない。
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華菜『偽名』 - もちろんお時間があればでいいです! (2021年11月3日 21時) (レス) id: 0fc6b946c5 (このIDを非表示/違反報告)
華菜『偽名』 - リク&コメ失礼します!『乙骨憂太』で『任務中呪霊の攻撃をかばって倒れた』なんでどうでしょうか?…そして単純な欲望&書いてほしさで『夏油傑』で『風邪で倒れた』はどうでしょうか…なぜか倒れた系統が好きなんです…小説とってもよかったです!! (2021年11月3日 21時) (レス) @page6 id: 0fc6b946c5 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 刻卯さん» はーいよー!!! (2021年9月19日 20時) (レス) id: fa378eaf30 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 怜さん» 五条人気ですもんねー!五条以外ももちろんドシドシお待ちしてますよー(ムフムフ (2021年9月19日 20時) (レス) id: fa378eaf30 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯(プロフ) - はるさん» あー迷う。。。めちゃ迷うのだが。。。んーここは付き合うまでながれで!! (2021年9月19日 16時) (レス) id: 1c6cfaebb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2021年7月23日 11時