実験5回目 ページ5
「カンナ」
不意に口についた。母はよく父のことを名で呼んでいた。
「落ち着いて、カンナ。ママは、もう、もう……死んでる」
父は血を吸うのをやめ、荒い呼吸がおさまっていくのを感じた。
「死んだの……」
目の奥からぐっと何かが込み上げる。息が鉛を飲んだごとくつまる。母は、死んだ。ようやく自分は父に言い聞かせている事の大きさを理解しているらしい。母は、死んだ。
「うあぁぁぁああ!!」
1人の少女の声が部屋中に響く。所詮、私はまだ子供にすぎなかった。
それから父に聞いたことだ。父が家に帰ってきたときには既に母は何者かによって殺されたらしい。
「…他に聞きたいことは無いか」
父はやややつれ気味にあたしに問いた。あるにはある。が、それを聞くのが怖い。父も敢えてあたしに言わせようとするのは、直接言うのが怖いのだろう。あたし達の間に流れる30秒間の沈黙が痛いほどに長く感じられた。恐怖、耐えきれない、どうにでもなれとやけくそまじりに尋ねた。
「なんで血を吸うようなこと…したの」
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りな(プロフ) - 書き人知らずさん» ありがとうございます！そう言われると励みになります！これからも更新頑張ります！ (2018年5月19日 22時) (
レス) id: 00593af5f9 (このIDを非表示/違反報告)
書き人知らず(プロフ) - pixivsketchから飛んできました！拙い文なんかじゃないですよ。すごく面白いです。こちらでもpixivsketchでも絵や小説が更新されるのを楽しみにしていますね。 (2018年5月19日 22時) (レス) id: bdbb5f59e7 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - イメージソングは「不完全な処遇」でお送りします。(黙れ) (2018年5月9日 20時) (レス) id: 00593af5f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな | 作成日時：2018年5月9日 18時
