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「そうだ!書記長の座を奪って総統秘書になって気に入られよう!」

素晴らしい名案にポンと手を打つ。
それなのに目の前の椅子に座る男はズコッと転けた。
なんだこいつ私の名案にいちゃもんでもあるのか。


「Aさんにこの書類整理ができると思えないんですがそれは。」


私は立ち上がってにこやかにトントンの肩を叩いた。

足音も気配も殺して極めて静かに近寄って。


「これからの書記長は実力で決めて負けた人が雑用係ってことで。」
「Aーーーーお前俺に勝てると思ってん?」

獣のような赤い眼光が細められてゆらりとこちらを見据える。
緊張状態でのその目は夜のライトのように明かりを引いているみたいだった。

なんて綺麗で鋭い目なんだろう。
女の子達はきっとイチコロだろうな。



……その目に宿る殺意さえなければ。



どちらが先に動いたのかわからない。

突然、ヒュッと風が通るような音がして目の前の影が動いた。

トントンが仕掛けてきたと頭が認識する前に体はもはや反射のスピードで動く。

トントンは私の防御を阻止するために私の右手を掴んで左側から後ろに回り込もうとする。

が、それは予測できたこと。
私の手を掴んだ彼の左手を逆に掴んでやれば一瞬、ほんの一瞬動きに遅れが出た。
その隙を見計らって左手で自分の小銃を引き抜く。
だがトントンの攻撃のための右手は容赦なく後ろへ回った。


私がトントンのこめかみに銃をあてたのと、トントンが背後から私の喉元にボールペンの先をあてたのは同時だった。



「俺もまだ鈍ってへんみたいでよかったわ。」

ちょっとあんまり耳元で喋らないでもらいたい!
たたでさえこの体勢、片手は繋いでるしトントンの右腕が回ってきてるしでなかなか恥ずかしい状態なのよ。武器さえなければね!



「速さはトントン、脳と喉だから急所は私。引き分けだよね?」
「え?何言うてんのA、俺の勝ちやで。」
「はい!?勝ちは言いすぎでーーーー」

突然後ろからの圧迫感を感じこいつまだやる気なのかと身構える。

だけど、その気合いも一瞬にして散ってしまった。



「好きやで、A」
「ーーーーーーーーーーえっ」

気が抜けた次の瞬間、パシンッという音と共に持っていた小銃が弾かれた。
……ちょっと何が起こったかよくわからない。
私後ろから……抱きしめられてるこれ!?
そんで好きって……好きってナニ!?

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雛菊(プロフ) - 美桜さん» 通知に気づかず返信が遅れてしまい大変申し訳ありません!2ヶ月以上も前に……(汗)読んで頂きありがとうございます!計算高いトントンはめちゃくちゃ気に入ってるので嬉しいです! (2017年5月15日 1時) (レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ヤバいヤバいグルさんも超格好良すぎだけど、トンさんの計算高い感じも格好良すぎぃ! (2017年3月4日 8時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 酒呑童子さん» あああどうもありがとうございますうう!! (2016年11月28日 13時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
酒呑童子 - お化け屋敷のお話がすごく好きすぎて何回もハイルグルッペンしそうになりました...!これからも頑張ってください! (2016年11月28日 0時) (レス) id: 31dd048566 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - テル@コクさん» おおおここにまた我々の忠実な信徒がひとり!ありがたいお言葉です!!がんばります〜〜 (2016年11月27日 9時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛菊 | 作成日時:2016年8月26日 23時

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