検索窓
今日:8 hit、昨日:21 hit、合計:239,690 hit

# 05 ページ5

*



春季東京都高校野球選手権大会

準々決勝 vs 市大三高


昨年の秋大で市大に負けてしまった雪辱を果たすべく燃える青道は初回、御幸くんのスリーランにより
先制点を奪う



「A先輩、何してるんですか?」


グラウンドにビデオカメラを向ける私に
春乃ちゃんが不思議そうに首を傾げると


「これはAの試合時の恒例みたいなもんだから」

唯が代わりに答えた


「試合を録ることがですか?
だけどあっちでもビデオ係の人が録ってるんですよね?
なんでわざわざA先輩まで?」


頭に?を浮かばせる春乃ちゃんに貴子先輩は笑った


「Aが録ってるのは試合じゃなくて御幸くんだからよ」

「ぇえ!?御幸先輩を録ってるんですか!?」

「春乃、今ちょっと引いたでしょ?」

「そんなこと…」


さっちんの言葉におどおどする春乃ちゃんを横目に
さっき録ったホームランを再生する


「御幸くんのプレイって、攻守共にスゴく魅せられるでしょ?目に焼き付けるだけじゃ足りなくて…。
それに盗撮じゃないよ!?ちゃんと本人から了承得てるし…」


「気持ちはわからなくもないけど、本人に録っていいかなんて聞けるところがさすがだわー…」


さっちんに呆れたような関心したような微妙な視線を向けられ、私は目を瞬かせた




それから御幸くんにウイニングショットを打たれた相手投手の真中さんは1回表から8失点


それに対し、丹波先輩も故障明けのせいか不調で
試合は乱打戦へと持ち込まれ


結果、16ー10で打ち勝ち
青道は準決勝進出を決めた



青心療へ帰ると話題は丹波さんのエース降ろされたことで持ちきりだった




「お疲れー。今帰り?」


制服に着替えて、スコアブックを届けにスタッフルームへ向かおうとすると

バットを持った御幸くんに声を掛けられる


「お疲れ様です。録ったビデオ見ながらスコアブック仕上げてたらちょっと遅くなっちゃって」


そう言って書き上げたスコアブックを御幸くんに渡すと受け取った御幸くんはパラパラとそれをめくる


「相変わらず、すげぇ丁寧だなぁ。サンキュ!
…ところで、今日の俺の活躍ちゃんと録れた?」


「もちろん!」

御幸くんに今日録った動画を見せる


「なんかやっぱ照れるよなぁ。
自分だけ撮られてんのって」

御幸くんは照れ臭そうに頭を掻く


「嫌なら言って?止めるから…」

「嫌じゃねーよ。寧ろ嬉しいから」

「え?」


御幸くんはニッと笑うと
私の頭をクシャクシャと撫でた

# 06→←# 04



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (364 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
594人がお気に入り
設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あんず | 作成日時:2015年3月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。