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# 26 ページ26

*



Aちゃんの熱が下がり
部活に復帰してから2日後



「ゲホッ、ゲホッ…」

今度は俺が風邪引いてしまったようだ


熱はないものの、咳が酷い俺は
マスクをつけて学校に登校するが…



「…なんか、周りからすげぇ視線を感じる気が…」


学校の正門が近づくにつれて
周りからの視線が痛くなってくる




「そりゃお前、メガネしてねぇからじゃねーか?」



マスクをすると、メガネがくもって不便なため
今日は仕方なくコンタクトをしてきた俺に
隣を歩く倉持がからかうように言う



そーいや、今朝も食堂で朝食を食べる際
マスクを外したらゾノに何故か睨みつけられたな…



なんて思い返しながら教室に入れば
一斉にクラスメイトの視線が俺に集まる



「…誰?転校生?」

「もしかして、御幸くんじゃない?」

「うそ!?メガネしてないよ!!」


コソコソと話しているつもりだろうが
こっちには丸聞こえの女子たちの声に
恥ずかしくて顔を俯かせた


俺がメガネしてないことが
そんなに物珍しいかよ…?!


なんだか居心地の悪い教室に
嫌気がさしてきて、席を外そうと立ち上がった時


「ぅわ!」


ドンっと誰かにぶつかってしまった


「…っと、悪ぃ…!」


謝りながら視線をぶつかった人に向ければ
Aちゃんが俺を見上げていた


「…えっ……みゆ、き…くん?」


目を瞬かせながら首を傾げるAちゃんに
「そうだけど?」と頷けば

Aちゃんはじっと
俺の目を見つめたかと思ったら


「お、おはよ…」


気まずそうに目線を俺からそらせながら挨拶する



何故そらす!!?



「おーっす、深沢!」

「あ、おはよ。倉持くん!」


倉持にはいつも通りなAちゃんに
不安が募っていく



俺…Aちゃんに何かしたか?




「これ…間違ってたところ直してきたんだけど」


休み時間、スコアブックを書き直して
持ってきてくれたAちゃん


「おっ、わざわざサンキューな」

「う…ううん、気にしないで?」


スコアブックを俺が受け取ると
Aちゃんは俺に視線を合わせるまでもなく
自分の席へ戻ってしまった


「ヒャハハッ!
お前、深沢に避けられてね?何したんだよ?」


その様子を見ていた倉持に、とうとう指摘される


「別に何もしてないと思うけど
理由がわかんねぇから困ってんだよ…」

「自覚なしかよ?」

「…は?」


意味深げな笑みを浮かべる倉持に眉を顰めるが
倉持はそれ以上口を開けなかった

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2015年3月29日 2時

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