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# 11 ページ11

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「……これは【ミケ】じゃなくて【マイク】だよ?
だから訳は、【マイクの趣味は音楽鑑賞です】」


確かに、ローマ字読みだと
【Mike】はミケって読みそうにならなくもないけど…。


「ここも純さんが?」


尋ねると、倉持くんは私から視線をそらして

「ここは自力で…」

小さく呟くように言った



「はっはっはっ!!ミケって…は、腹痛ぇっ!!」


そんな倉持くんの隣で
御幸くんは目尻に涙を浮かばせて大笑いする


「うるせぇな!!
そう言うテメェは出来てんのかよ!?」

「さすがに【マイク】を【ミケ】とは間違わねぇって!」


「それにしても、これって純さんが教えてくれたんでしょ?純さんの頭の方が心配になってくる…」


そう呟くと
御幸くんは指で涙を拭って首を振った


「いや、全部純さんがわざと間違った答えを
倉持に教えただけだろ。
昨日、倉持たちの部屋から出てきた純さんの顔に
やってやったぜ!って書いてたし」


「そっか!なら良かった!」

「全然良くねぇー!!」


騙されたー!!と嘆きながら
倉持くんは机に突っ伏する



「コラコラ、寝てる時間ねぇだろ?
英語1時間目なんだからよ」

「御幸も呑気に笑ってねぇで手伝えよ!?」

「は?なんで俺が?!」

「あ"?テメェの面が俺の癇に触ってるからに決まってんだろ!!」

「理不尽な!」



そうして、倉持くんは私と御幸くんに教えてもらいながら問題を全て解き直した







「はぁー…」


今日もか…。


今朝、教室に来た時にはなくて安心してたのに
移動教室から戻ってくると

また【許さない】と書かれた紙切れが1枚
机の中に入っていた


…本当、誰なんだろ?




「…っちゃん……Aちゃん?」

「ふぇいっ!!?」



いきなり視界に入ってきた御幸くんの顔の近さに
思わず仰け反ってしまう

しかも、変な声まで出してしまった…。



「……な、なに?」


持っていた紙切れをそっと机の中に戻す


「さっきから呼んでたんだけど?」


じっと私を見つめる御幸くんの瞳に
何でも見透かされてるような気がして
視線を俯かせた



「ごめん、気づかなかった…」

「うん。気づいてなかったな?…何見てたの?」

「…別に、大したものじゃないし
御幸くんには全然関係ないことだから」


そう言うと、何故か御幸くんは表情を曇らせる


「全然関係ないこと、か…」

「え?」

「…これ。倉持から」


御幸くんが紙パックの私が大好きな苺ミルクを
目の前に差し出した

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設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あんず | 作成日時:2015年3月29日 2時

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