絶対に恋なんかしない。2【Sho】

出会いの真相。 ページ36

「そうそう、私ずっと気になってたんだよね。

あの時、何で紫耀があんなにしつこく私を必死で引き止めてたのか」

私が詰め寄るように言って紫耀を見つめると、う〜んと唸りながら斜め上を見て考え始めた。

『Aはその理由、本当に知りたい？』

やたら真剣な顔で尋ねてきた紫耀に、一瞬躊躇ったものの、

「うん、知りたい」

ずっと気になっていた事がわかるなら、教えて欲しいという気持ちの方が勝った。

『どんな理由でも、絶対に怒らない？』

「それは聞いてみないと何とも言えないよね」

『え〜、じゃあ俺言いたくないんだけど…』

「いや、でもそこまで言われたら逆に聞けない方が怒るよ？」

「え〜それはヤダ!!じゃあ…今から話すね？」

紫耀は深呼吸した後、私を見つめながら理由を話し始めた。

『実はあの日、写真を撮りながら嬉しそうに微笑んでたAに一目惚れしたんだよ。

カメラがこっち向いてたから、俺の事撮ってたかもって思って声掛けたけど、

本当は、8割くらいは俺じゃないだろうなぁって思いながら声掛けてたんだよね…』

言いながら下を向いた紫耀の顔を覗き込むと、

『…やっぱり怒った？』

そう言って、不安気に上目遣いで私を見た紫耀。

「怒ってはないけど…それって簡単に言うとたちの悪いナンパだよね？」

『いやいや、違うって!!今の話ちゃんと聞いてた？

一目惚れだって言ってんじゃん!!』

さっきまでめちゃめちゃ弱気だったくせに、急に強く出たな。

そうくるなら、私だって言わせてもらおう。

「一目惚れって言ったら聞こえはいいけど、その後の行動が最悪じゃん。

人のスマホ奪って謝りもせず、しまいには名前と連絡先教えてって…一体どこの輩だっつーの笑」

『ほらぁ〜やっぱり怒ってるじゃん…だから俺、言いたくないって言ったのに』

何だか聞いた私が悪いみたいな言い方だな。

「もういいや、聞いた私が悪いんでしょ。

このまま一緒に居たらつまらない喧嘩しそうだし、私今日は帰るね」

そう言って私が玄関に向かおうとすると、紫耀は私の腕を掴んで強引に抱きしめた。

二人のクリスマス。→←思い出した事。

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