Episode31* ページ1
氷浦「おはよ。A。」
『おはよう。貴利名。』
私達は付き合うようになってから
一緒に登下校するのが日課となった。
氷浦「ん。」
貴利名が当たり前のように手を差し伸べてくれる。
私はたちまち笑顔になる。
こうして自然と手を繋げる関係になれたことがとても嬉しい。
横目でちらりと貴利名を見上げる。
今日から夏服だ。
相変わらずかっこいいなあ…なんて。
私よりも少し背が高く
細身だか程よく鍛え上げられた身体
整った美しい顔立ち
こんな素敵な人が彼氏だなんて…と改めて思う。
私にはもったいない気がする。
氷浦「なに見てるの?」
『わっ!』
悪戯っぽい表情で顔を覗き込んでくる貴利名に思わずドキッとしてしまう。
『…夏服の貴利名もかっこいいなって。』
消え入りそうな小さな声で言う。
氷浦「Aの方がずっと可愛いよ。」
『っ//』
…貴利名はこんなことさらっと言える人だっただろうか。
こんなかっこいい人にそんな台詞を言われたら
落ちない女の子なんていないだろう。
私はめっぽうこの笑顔に弱い。
氷浦「あ、そういえば。
今日から7月だし、もう夏休みも近いね。」
ジリジリと照りつける太陽を眩しそうに見上げながら、貴利名がそう言う。
『そうだね。』
貴利名と付き合って初めての夏休みだ。
なんだかワクワクする。
氷浦「A、夏休みどっか行こうな。」
爽やかな笑みを浮かべる貴利名。
『うん!』
今年の夏はきっと特別なものになるだろう。
_______そんな予感。
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作者名:渡邊妃葵*わたなべひなた | 作成日時:2018年12月20日 22時