好きです！三途さん！

12話 ページ12

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『ぎいいいやあああああ！』



朝から最悪だ。事件だ。



「朝からうるせーな！」

『三途さん！
ヘルプです！助けてください！お願いです！』

「……なんだよ」

『Gが……そこに……』

「ハ？G？ゴキブリか？」

『その名前を呼ばないでください本当に！』

｢お前みたいなもんじゃねーか｣

『それはひどい！嫌いになります！』

｢ハッ、なれるもんならなって見やがれ｣





朝起きたら、壁に這いつくばっているGがいた。



無理、見ただけでも吐きそう。こんなのが三途さんの家にいるなんて。スクラップ案件だなこりゃ。



「お前スクラップ見ていつも笑ってるのになんでゴキブリは無理なんだよ」

『それとこれとは別です！無理なものは無理なんです！』

｢カブトムシだと思えば平気だろ｣

『カブトムシもクワガタもＧにしか見えませんが！？』



確かにたまに死体を見ると臓器が出てたりすごい気持ち悪いけど、Gは別格。こんなのなんで地球にいるの。意味わかんない。



「ほっとけばそのうちどっか行く」

『無理です今日寝れなくなります』

｢汚ぇ家だってことだろーが。引っ越す準備しろ｣

『え、引っ越しちゃうんですか？』

｢当たり前だ。こんな家いれるかよ｣

『分かりました。引っ越しの準備します。
ただ先に、Ｇをやっつけてくださいこの通りです』

「チッ。仕方ねーな」




その辺にあった書類を丸めて、どこだどこだと探してくれる。四つん這いになっててなかなかえろい。



私のために動いてくれる三途さんかっこいい。大好き。



『三途さん大好き』

「へいへいそーかよ」



なんだかんだ話聞いてくれるんだよな。さすが、やっぱり三途さんはツンデレだな。可愛い。



「あ、いたぞ」

『ぎゃあああああ！
は、早く殺して……！』



パァン



三途さんがGを見つけ、丸めた書類を振りかざす。



さすがナンバー2、Gも簡単に仕留めるとか最強だな(？)



「ほら」

『ぎゃああああ！
見せないでください！』



書類に潰れたGを見せてくる。



意地悪だ。意地悪だけど好きなんだな。



『ありがとうございました。安心して寝れます。
あ、でもGがいれば三途さんのお部屋で一緒に寝れたのかもしれないな？うーん、失敗した』

「殺しといてよかった……」

『……ん？
その書類よく見せてください』

｢ア？そんなに死骸が見たいのかよ｣

『違います！
その書類……確か九井さんに提出するやつじゃ……』

｢……ア、やべーなやらかした｣




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