目が覚めたら怖いところでした ページ9
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成主side
ーー目が覚めると、そこは知らない天井でした。
…………いや、待てや。
思わず起き抜けで半目になっていた顔をスンッと真顔にさせてしまう。
確かにあの時気絶して、夢は終わった筈なのに。
そこにあったのは、自分んちのアパートの天井でも無く病院の天井でも無く見知らぬ木造建築の天井。
『夢から覚めてない……?』
起き上がって手を見てみると、ガサガサの肌荒れまみれの手では無く儚い白魚のような……けれどもしっかりとした男性の手。
目覚めたのは、古めかしい和室。
ふと、身体の違和感に眉を寄せる。
明らか高そうな和風な寝巻きの上から手を這わせると、その違和感の正体に気付いた。
『傷が治ってる……』
明らか折れていた左足はおろか、もしかしたら肋骨も折れていたかもしれないのに。
見た感じ傷が無いどころか、痛みが全く無い。
それと、なんか首筋に違和感があると思ったら……水中で切った筈の髪が元の長さに戻っていた。
なんだ、超強い育毛剤でも使ったのか((
横を見ると、あの時私が持っていた刀が置かれていた。
持ち上げて抜いてみると、ひび割れが嘘のように綺麗に治っている。
それにしても、本当に旅館みたいな部屋だ。
時代劇みたいだとも思ったけど、気の所為じゃなければ加湿器が見える。
部屋を粗方見渡して、不意に見えた姿見を覗き込んで思わず口の端を引き攣らせた。
『うわ顔がいい』
うわ顔がいい。
9割くらいは察してたけど、伝説みたいな顔面の美青年が鏡の向こうで眉根を寄せている。
それにしても、物凄く長い髪といいこの顔面といい本当に二次元のキャラみたいだ。
とりあえず、一応は助かったって考えていいだろう。
わざわざ傷とか諸々も治してくれたんだから、酷いことされる可能性……は無いと思いたい。
とりあえず、お礼を言いに行こうと障子を開けて……
『』
ス、と静かに障子を閉じた。
(無理無理無理何あれ?!)
開けた障子の向こうに見えたのは、グラサンを掛けたスーツの男性とその舎弟らしき金髪の男性。
それから極めつけには、槍を持った大柄な赤髪の武人らしき男性。
どう見てもカタギじゃないですね本当にありがとうございました\(^o^)/
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エンカウントした刀剣男士
・山鳥毛
・南泉一文字
・蜻蛉切
【結論】エンカウント運がクソ
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←声と顔が良いお兄さんがやってきた
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作者名:花草 アゲハ | 作成日時:2023年8月15日 22時