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『もう切るで、電車来たし。お大事に。』

「A、まっ、」


一方的に携帯を切られてしまい、掛け直そうにも車内だとしたら無理だし・・・。



握りしめていた携帯の振動で、目が覚めた。

いつのまにか、寝てしまっていたみたい。

だるさもなく、咳も治まっていた。

携帯の画面に、不在着信2件の表示。確認してみると、健ちゃんから。


「もしもし?健ちゃん、どうしたの?」

健「隆二、具合どうや?」

「全然まし。喉は本調子じゃないけど、撮影の仕事なら大丈夫かな。」

健「Aに、感謝やな。」

「うん。」

きっと、仕事を抜け出して来てくれたんだろうなぁ。


健「わざわざ、出張先の福岡から一旦帰って来てくれたんやから。」

「え、福岡?」


そうだったけ?慌ててカレンダーを確認する。

昨日から明日までの所に、赤字で九州出張ってAの字で書き込まれていた。


「俺の看病する為だけに、わざわざ帰って来てくれたんだ。」

健「せやで、明日も博多の方で打ち合わせがる言うとったわ。」


水を取りに行って冷蔵庫を開けると、色んな作り置きの料理や果物が用意されていた。

ポカリやアクエリなどの飲料も買い足されていた。

ここまでしてくれてたんだ、なのに俺・・・。



「・・・まだいたの・・・。」

俺は、薄っすらと開いた目でAを捉えると、迷惑そうに見た。

そんな俺に、一瞬だけ泣きそうな顔してた。

電話したときだって、勝手に帰ったAに腹が立って口調が荒くなった。

もっと言い方や態度があったはずなのに。


健「もしもーし、隆二?大丈夫か?」

「大丈夫じゃない。Aのこと、怒らせたかも。」


健ちゃんに経緯を話した。


健「はぁ〜、なにしとんねん。」


呆れている、健ちゃん。


健「さっさとお礼言うて、謝っときや。風邪と一緒でこじらせたら、面倒やで。」

「ありがとう、健ちゃん。」

健「ん。ほな、あったかくして寝るんやで。」

「うん、おやすみ。」

健「おやすみ。」


健ちゃんとの通話を終えて、Aに電話をかけたようと思ったが止めた。

とにかく、今はしっかりと治さなくちゃ。そうじゃなきゃ、心配かけちゃうし。

そして、元気な声を聞かせよう。Aのおかげだよって。



看病に来てくれた日から1週間経ったくらいに、Aから電話がかかってきていた。

仕事終えたら掛け直そうと思っていたのに、そのまま忘れてしまっていた。

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設定タグ:今市隆二 , 三代目JSoulBrothers , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2016年11月16日 3時

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