払拭された杞憂 ページ27
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私が事の発端を話し終えると、ヒロくんが無言で席を立った。
その表情は俯いているため見えない。他の皆も静かにヒロくんを見つめているだけだ。
私もどうしていいか分からず、言葉にならない音を口から零しながら動けずにいた。
そしてヒロくんは私の傍まで来ると足を止めた。
ゆっくりと手がこちらに伸ばされて、なぜか身構えてしまう。
『ヒロくッ…え』
「ごめん」
その手は私を捉えると、ぎゅっとヒロくんに抱き寄せられた。
いつもの優しい手つきで何度も何度も私の頭を撫でてくれる。そんな彼から放たれた「ごめん」の3文字が酷く重く感じる。どうしてごめんなのだろうか。私の方が謝らないといけないだろうに。
「あの記事見ちゃったんだな…」
『そう、だから私の方が謝らないといけないの。ヒロくん、入っちゃダメって言ったのに…』
ごめんなさい、と言う声が震える。
自分が情けなくて、不甲斐なくて、じわじわと視界が涙で滲んでくる。だけど、何でもお見通しのお兄様は、抱きしめていて私の顔なんて見えていないはずなのに、ノールックで涙を袖口で拭ってくれる。こんな状況でもヒロくんの行動一つ一つに反応してしまう。まあでも自他共に認めるブラコンだから仕方ないよね、ヒロくんは毎秒かっこいいんだから誰でもこうなるって。
あぁ、思考が逸れてしまった。邪念を払うように大きく深呼吸をすると下げていた視線を上げた。
すると私の方を見ていたヒロくんと目が合う。
「Aは悪くないよ。俺があんなところに置いていたのが悪いんだ」
『ううん…』
「あの事黙っててごめんな。兄さんと話してたんだ、Aが大きくなってから話そうって」
「もうAも高校生になるもんな、ちゃんと話すよ」と言うと、抱きしめていた腕を緩めて私の前にしゃがみこんだ。
私とヒロくんの手は繋がったままで、指先が優しく握られる。
「父さんと母さんは、あの記事に書いていた通り誰かに殺害されたんだ。犯人はずっと捕まっていなくて、俺はそいつを探すために警察官を志願したんだよ」
『やっぱり、そうだったんだ…』
「うん、でもよく聞いて。その犯人、警察学校に居るときに見つけて捕まえることが出来たんだ」
皆が協力してくれたんだ、と後ろを振り返ってヒロくんが笑う。その視線が向けられた先には4人が照れくさそうに微笑んでいる。
ああ、なんだ、そうだったんだ。もう何も心配いらないじゃないか。
この5人がいればもう怖いものなんてないんだ。
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天桜＊(プロフ) - ネイジェさん» はじめまして！コメントありがとうございます！本当に楽しみですよね…！！動いてる皆に会えるのが待ち遠しいです…！お気遣いありがとうございます、お互い体には気をつけましょうね；；更新頑張りますのでどうぞお付き合いよろしくお願いします☻ (2021年12月18日 22時) (
レス) @page28 id: 2fdd3479dd (このIDを非表示/違反報告)
ネイジェ - いやもう面白すぎ！！来年の映画、楽しみですよね・・・！オタク仲間？か、どうかは分からないけど、応援してます！更新頑張って下さーい！！体にも気を付けてくださいね！ (2021年12月18日 19時) (レス) @page28 id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - ソラさん» 初めまして！コメントありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです〜！！一緒にいるだけで元気を貰えるような、そんな妹ちゃんを目指して書いてます…！！ゆっくりではありますが更新していきますのでよろしくお願いします！！ (2019年8月22日 17時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 初めまして。小説読みました。ごーうぃんぐまいうぇいな妹ちゃん可愛すぎ(*¨*)こんな妹ちゃんだからこそ、警察学校組は頑張って行けるんだろうなと思いました。続き楽しみにしています。(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年8月22日 14時) (レス) id: 488a1f3fec (このIDを非表示/違反報告)
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