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月に願い ページ19

露天風呂に椅子を2つ用意して、
Aと足湯してる。


A「月って何気に明るいね。」

ヤマト「そうだな。」


暗闇に光る月は輝いていた。

月を《輝く》なんて表現したのは初めて。


A「やっぱりさ、地球って凄いよね。
色んな偶然が重なって、今がある。

その地球が育んで来た自然を、
たった80年足らずしか居ない人間が、
好き勝手に壊して良い訳無い。

今まで散々壊してきた。
元に戻せないの、分かってるのに。

文明は東京にあるんだから、充分。」

ヤマト「そうだな。」


露天風呂に足だけ浸かって、
空を見上げてるAの横顔が、
月明かりに映える。


ヤマト「この温泉も自然の恵みだしな。」

A「ね?大切にしてって!(笑)」


まだ湿ってる髪を軽く上げていて、

後れ毛が落ちて来てる髪型と、

立ち込めてる温泉の湯気と、

月明かりのせいで

柔らかいAを作り出す。

こんなAを見るの、いつ振りか。


A「ヤマト...熱い?

なら、出てて良いよ(笑)」


ヤマト「まぁな。でも、

こんなハプニングも良いなぁって、
思った。」


A「うん?そう?(笑)」


湯船から出した足を拭きながら、


ヤマト「さっき、月に思ったんだ。

Aと一緒に入れます様に、って。

願い、叶った(笑)。」


A「アハハ、良かったね(笑)」


今なら、謝れる...瀧澤の事を...。


ヤマト「A、ゴメン!瀧澤との事。


許して貰えるなんて思ってねぇけど。」


A「茉奈に聞いたよ...全部。

その内、償わせるから良いよ(笑)。」


ヤマト「お前...何を考えて...」


A「さてと、温まったし、私も出よう」


徐に立ち上がって、足をタオルで拭いて、
俺の横を歩いてくA。


ヤマト「A。」


咄嗟に掴んだ腕。

俯き加減で振り返ったAの表情が、
とても悲しく、柔らかい表情。


ヤマト「何でそんな表情してるの?」


A「私...最低な女だから...」

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作者名:アヤコ | 作成日時:2017年11月20日 17時

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