賢人side ページ12
姉御が何本か矢を打ち終ると、
不届き者の高校生が話し掛けてきた。
姉御の事を前から知っていた高校生は、
戦々恐々(笑)。
どうやらその高校生に
《教えて欲しい》
と懇願されてる様で、戸惑う姉御。
仕方なく《教える》じゃなく
《見せる》事にしたらしい。
高校生の前に立ち、
所作の一連の動作を
姉御がやって見せた。
姉御が振り返ると
《///ポーッ》
としてる高校生。
姉御は、高校生の顔の前で、手を振る。
高校生は、我に帰る。
※笑える(笑)
先輩の子は、姉御に何度も頭を下げて、
不届き者の高校生を連れて行く。
姉御は、ほんの一瞬､笑顔を見せて、
また戻る。
そこから集中した。
完全《ON》の状態。
何も気にしない。
何も目に入らない。
ただ弓道と対峙するだけ。
凛とした立ち姿...綺麗で格好いい｡
少し経つと、高校生は弓道場をあとに。
それに気が付いた時、姉御は会釈。
不届き者の高校生は、
満面の笑みで姉御に手を振る。
思わず、釣られて手を振ってしまった姉御。
急いで手を下ろす。
高校生が見えなくなると
A「///うわっ！！ま、いいか。」
照れ笑いして、矢を集める。
そしてまた完全《ON》な状態に。
暫く、姉御の矢を放つ音と、
矢が的に当たる音だけが響く。
そして久々に矢が的を外す。
大きなため息をついて、
弓道場の出入口を見る。
頭を掻いて、また集中する。
※うん？
それから何秒か後に
弓道場に表れたのは
《瀧澤茉奈》だった。
茉奈「A...」
A「黙って。」
冷たく言い放ち、矢を放つと、
矢は見事外れた。
それから何本か打つけど、
集中力は欠けていた。
A「賢人、お待たせ。」
賢人「はい！」
タオルとドリンクを持っていく。
A「有り難う(笑)。」
タオルで軽く汗を拭いて、
ドリンクを一口飲んで、
矢を集めて、片付けを始める。
A「で？何？瀧澤。
汗をかいたから、手短に。」
茉奈「A...有り難う。」
A「別に。仕事してくれれば。
此方に利益が無い訳じゃないし。
WIN―WINな関係。
でも、当主とは
主従関係なのは忘れないで。じゃ。」
茉奈「ね、幸田君とは」
A「#関係ないよね？あんたに。」
初めて見た。
感情的に怒る姉御の姿...。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アヤコ | 作成日時：2017年11月20日 17時
