検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:1,236 hit

これは多分試練だ ページ5

胸倉を抉られるように掴まれて死期を悟った俺はそう思った。多分この人やばい人だったんだなって思った
でも死にたくないなぁって思った。ガキみたいだ
時が止まったかのように思えてきて、その間に背筋が凍るような恐怖がこみ上げてきて


気がついたら俺は持ち上げられたまま股間に蹴りを入れていたんだ
俺も男だ。狙ったつもりじゃない

「おッ…お…ッ」
「す、すい、すいま…」

必死で謝ろうとしている俺の口は震えていて、うずくまっていたその男は立ち直れそうにない。幸い潰れてはいないだろうから大丈夫だとは思う。
先程の渡辺とかいう腐れ野郎はどこへ逃げた。部屋をふと振り返ると非常階段のドアが空いている。何故俺気づかなかったんだろう。
ズキズキと痛む腹を押さえながらゆっくり立ち上がると自分も逃げなければという本能と共に逃げて行く。

今は助かったんだ。ドアをガチャンと閉めるといかにも降りるのが辛そうなその階段をゆっくり降りる。そのドアに鍵が着いていたらもっともっと安心できたんだろうなと
でも非常階段のドアにそんなものついているはずもないだろう。急いでいるはずが痛みで何時もより遅い

何故こんなことに。

ああそうともあいつのせいだわ。糞、俺みたいなブサメンは一人で十分なんだよ。間違えるなよ。よりによって俺を
ここは日本のはずだろうが。どうしてこんなことに巻き込まれないといけないんだ


階段をおりていくと下が見えてくる
どうやら結構高かったらしい。そりゃ都内の病院だもんね。
多分警察が制圧に来てるんだろう。よくドラマとかで出るでっかい盾持ってるしな
更に降りて行くと数人が気づいたようで警戒し始めた
こういうときは素直に両手を上にあげればいい。どこから湧いて来たかそれを行動に移すと警官…いや、自衛隊のようなそれが病院に突撃して行く
あっという間に制圧が終わる。そして階段を駆け上って来た奴ら、警官だかなんだか知らないがそいつらは俺に銃を向けて来た。
咄嗟に手を上げてしゃがみ込む。何か言っているがよくわからない。ふわふわと心だけが浮いているような、そんな感覚
そして俺は保護された
なんかカルテ的なのが証明になったらしい

一番驚いたのは次の日無事に病院に戻れた時、そいつ…俺の腹を抉りやがった渡辺とやらがいたこと
問い詰めるとずっとずーっとロッカーの中にぎゅうぎゅうになって入っていたんだと
ぶん殴りたくなったが堪えた

黒歴史は去る(渡辺編へ)→←(神様はどうやらシリアスというやつを与えてくれない)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.3/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リリーナ(プロフ) - 最高に面白い展開だよ!はんぺんちゃん!これかも(,,゚Д゚) ガンガレ! (2014年3月13日 18時) (レス) id: 2f265f24c9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はんぺん | 作成日時:2014年3月10日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。