10曲目 諧謔曲 ページ10
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───罪のない冗談を飛ばし
帰宅して届いていた家のポストを確認するといつも通り月末に届く電気代、水道代、携帯料金の郵便物が届いていた。私はそのまま玄関で確認する。
「 はぁ!? 」
倍以上に増えていて、思わず声をあげた。まだ彼が住み始めて数週間というぐらいだというのに流石に頭が痛い金額だった。もちろんのことすぐにリビングの方に向かうと足がはみ出ながらソファに横たわる姿が目につく。ちょうどあくびをしながら眠たそうにテレビを見ていた。
「 働け、半間 」
「 ん〜?やぁだ♡ 」
「 お願い!!! 」
「 だりぃ〜 」
半間の目の前にまで行って縋り付くように、私は彼に頼んだ。このままだと私のプライベートに使うお金が無くなる。それでなくてもこのイケメンヒモ男に最近お金を使ったばかりだし、食費も2人分になってしまっているのに。もぉお〜、と私は嘆いて床に寝っ転がった。
「 そんなに金欲しいのかよ 」
「 そりゃそうでしょ…、QOL大事 」
私がそう文句をこぼすと彼は首を伸ばして寝そべる私をじっと見つめる。目が座っていて、何を考えているか分からない。いつまで見てるのよ、と少し恥ずかしくなって言えば彼の口角がにやっとあがる。半間が働くわけないか、と諦めて部屋にいって着替えようと立ち上がると腕を引かれた。思いの外、力が強かったせいで転ぶように床に座り込む。少し顔を横に向ければ目の前に彼の顔があった。
「 身体で払ってやるよ 」
「 は、?…っ〜〜また、揶揄うのやめてよ…!?ていうかそれじゃ結局お金はどうもならないでしょ 」
「 ホント、いちいちオネーサンの反応かわいーよなぁ、 」
思わず口が引き攣った。これだから自分の顔の良さを分かっている男はタチが悪い。完全に顔で絆されてしまっている自分もかなり悔しい。いやそんなことよりも本当に生活費をちゃんと考えないといけない。もう彼の手は離されていて、視線を向ければまた大きなあくびをされる。さっきの言葉絶対思ってないだろうな、て分かっているのに恋愛経験ゼロの私にはかなりハードルが高い。ハードル高すぎて転んだ。(?)
「 あれ、お風呂お湯張ってある 」
え、もしかして半間が入れてくれたのかな。いや私以外にアイツしかいないでしょ…、少しは気きかせられるんだな。
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愛之助(プロフ) - 凛愛さん» 疲れましたわ〜🥹 ありがとうございますわ〜😭またなにか書けたらいいな…😌 (2022年10月13日 23時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - 完結おめでとうございました〜❗️無事死神と踊りました〜❗️一からまた読み直します更新お疲れ様でした🥹 (2022年10月13日 6時) (レス) @page31 id: 1a57349a51 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - ha0824duさん» 初めまして〜🤍それはよかったです😭😭ありがとうございます!完結まで頑張ります〜〜💦💦 (2022年9月5日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 初めまして!!私の推しor推しなので最高にどっきゅんうっふんしてます(*´◒`*)⭐︎これからも応援してます!♡ (2022年9月3日 22時) (レス) @page23 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 河谷さん» か、…感謝…🤦♀️🤍 今度ドカッと更新するつもり😌✨ 私こそだい゛ずぎい゛い゛ (2021年11月10日 20時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛之助 | 作成日時:2021年10月28日 8時