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*
次の日の朝のこと。
「えええええっ?!!」
屯所に、物凄い叫び声が上がった。
上げたのは、藤堂と永倉である。
「おいおい……冗談だろ?」
土方があっけにとられたような顔をしている。
沖田も、間抜けな表情の土方をからかう余裕もなく、あんぐりと口を開けている。
「……こうなるんじゃねえかと思ってたぜ」
原田は、小さく頭を抱える。
斎藤が自分の小姓として連れて来たのは、男装した彼の妹、斎藤Aだった。
だが、その名乗りは違う。
「頼信之と云います。これから、よろしくお願い致します」
脇差を右差しにした男装の少女はそう云って、斎藤の横で、深々と頭を下げた。
「斎藤、お前……」
土方が睨む。
「ご覧の通り、実の身は斎藤一の妹でございます」
弁明するように、Aが云った。
「ですがこの姿は、頼信之という一人の男。頼とお呼び下さい」
「ええと、A……じゃなくて、頼?」
藤堂がおずおずと呼ぶと、彼女は「はい、藤堂さん」と答えた。
「……あー、いつもみたいに平助って呼んでくんねえのか? その顔で藤堂さんって呼ばれると、かなり寂しいんだけど」
「……申し訳ありませんが、この姿ではそういう訳には参りません」
「え」
衝撃を受けたような藤堂の顔。
原田が、その頭をポンポンと叩く。
「仕方ねえだろ。今の此奴は可愛いAじゃねえ。頼信之という名の、斎藤の小姓なんだから」
それから原田は彼女に向き直り、「って訳で、改めてよろしくな、頼」と云う。
頼はそれに答え、「こちらこそよろしくお願い致します、原田さん」と頭を下げた。
【新八さん】が【永倉さん】に、【いち兄】が【斎藤さん】に、【総司さん】が【沖田さん】に。
立場が変われば、呼び方も変わる。
当然のことだが、沖田は何だかむずがゆそうだった。
「掃除、洗濯、食事の用意、何でも致します。お気軽にお申し付け下さい」
頼はそう云って、にこりと笑った。
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Chris(プロフ) - ファーストMeさん» わーいありがとうございます! こっちの作品も神様ネタありますから、待ってて下さい! (。>ω<。)ノ (2017年6月15日 13時) (
レス) id: c0c9efb09c (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - “刀と共に生きてきました”から来ました！この作品も凄く良かったです！！更新待ってます！！ (2017年6月15日 13時) (レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chris | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chrisinfo/
作成日時：2017年5月23日 0時
