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……助けなければ。
彼は、自分の大切な主。
傷つけさせはしない。
それだけは、決して。
異様なほど静まり返った空間にルシタニア少年の荒い呼吸が響く。
アルスラーンの首に腕を回し、追い詰められた獣のような目をし、剣を振りかざす。
距離を取って包囲するも、アルスラーンが人質となっているため下手に手を出すこともできない。
息の詰まるような緊張感。
続々と集まってくるパルス兵に形勢の悪さを悟ったのか、少年が顔を歪める。
「もはやここまでか……」
「投降せよ！ 無駄死にをするな！」
――アルスラーンがそう叫んだ、刹那。
少年が、動く。
声をあげる暇もなかった。
細いその腕がアルスラーンの首根っこを掴んだと思ったら、まるで重い荷物を持ち上げるように引き寄せて――跳んだ。
城壁から、もろとも飛び落ちる。
「殿下ぁ―――！！！」
何が起こったのか、咄嗟に理解できなかった。
城壁から飛び降りるなど正気の沙汰ではない。
周囲の兵たちが慌てたように城壁から身を乗り出す中、Aは悲鳴すらあげられなかった。
城壁の向こうに消えたアルスラーンの姿に頭が真っ白になり、よろけながら城壁から身を乗り出す。
あまりの高さに目眩がした。
フッと力が抜け、身体の重心が傾く。
そのまま地面から足が離れ――寸でのところで、肩を掴まれる。
「A！！」
「あ……兄う、えさ……」
「しっかりしろ！！ 落ちるなよ！！」
落ちかけたAを引き戻し、ダリューンが弓矢を構えながら叫ぶ。
衝撃に真っ白になっていた思考がようやく動き出す。
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瑪瑙(プロフ) - カエデさん» お返事が遅くなり申し訳ありません！そう言っていただけてとても嬉しいです(^^) ありがとうございます！！ (2018年1月6日 13時) (
レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - とても読みやすくて面白かったです！これからも読ませて頂きます！頑張ってくださいd('∀'*) (2018年1月4日 12時) (レス) id: f2c692053c (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - あんばーるさん» コメントありがとうございます！気付いたらいつの間にかダリューンの物語ができていました…笑 少しずつ更新していきますので、よろしくお願いしますm(__)m (2017年9月1日 13時) (レス) id: 4aa70732e7 (このIDを非表示/違反報告)
あんばーる - アルスラーン戦記好きな者です！ すごく素敵なお話しでした！ダリューン沼は深いのではまっちゃいますよね(*´∀｀) (2017年9月1日 2時) (レス) id: 212817a7b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作成日時：2017年6月21日 22時
