消えない想い2 ページ8
「もう既に鬼は斬っていますからたくさん日光を浴びれば、すぐに回復します。でも痘が消えるまでは感染に気をつけて下さい。この軟膏を一日、三回塗ってくださいね」
しのぶちゃんはカナエさんを亡くしてから人格が変わった。カナエさんを模倣して、しのぶちゃんは自身を心の内に閉じ込めている姿は見ていて苦しくなる時がある。
「A、煉獄さんからどうして離れてしまったんですか？」
その問いに暫し沈黙が流れる。
「私が側にいると、煉獄様にご迷惑がかかるので…」
「みんな、不器用ですね」
一通りの診察室を終えると、しのぶちゃんは寂しそうに言った。
部屋から出ると、杏寿郎が立っている。
「あの、ありがとうございました」
慌ててその場を離れようとする私の腕を、ガッチリ掴まれる。
「送っていく。家は何処なんだ」
真っ直ぐに私を見据える力強い瞳の奥に、何処か寂しそうに懇願するような想いが透けて見える。私の返事を待たずに杏寿郎は、また私を横抱きにし夜明け前の道をゆっくりと歩き出した。
＊＊＊
ガタン…
「こんな所に一人で暮らしていたのか？」
鬼殺隊の人間が多く住まう地域から離れたひっそりと佇む小さな家。自分がいつ居なくなってもいいよう最低限の物しか手元には置いていない。
「やっと見つけたんだ。話がしたい」
横抱きから開放されたものの、痛いほど腕を握られていて振りほどくことなど到底不可能だ。
「なぜ、俺に何の相談もなくいなくなったんだ…」
咎める様子は一切無く、ただ悲しみだけが伝わってきて、つくづく馬鹿なことをしたと後悔をする。
「ごめんなさい。煉獄様の炎柱としての働きに支障をきたしてはいけないと思いました。でも、煉獄様を悲しませることは一番しちゃいけなかっ…」
最後の言葉が出る前に唇が塞がれた。何度も交わした触れるだけの口づけが、今までに経験したことのない深いものへ変わる。それは私から呼吸を奪うだけでなく、思考を奪い身体を蕩けさせていく。
「ん、はっ…。煉獄、様…」
「その呼び方は気に入らん」
必死で唇を離すが、しっかりと抱きしめられているため身動きが取れない。
「きょ、杏寿郎さま…」
「以前のように呼んでくれないか？」
瞳の奥に隠した悲しみが痛い程、伝わってきて思わず
「杏寿郎…」
と、小さくその名を呼んだ。
「A…」
向かい合った瞳が交わり、また唇を重ねる。私の頭と腰を抱きしめて離さない杏寿郎の首に手を回し、その想いに応えた。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 夢主じゃ、童磨殿には敵いませんからね…😣しばらく地味な展開になりそうです😢 (2021年12月8日 7時) (
レス) @page12 id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - え⁉️😱夢主ちゃん⁉️よもやーーーッ (2021年12月7日 23時) (レス) @page12 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年10月18日 1時
