6 ページ8
.
互いの仕事終わり20時に待ち合わせをした。
…はずだが、もう既に21時を回っている。
何度見たかも分からないメッセージアプリ
茨とのトーク画面には俺が送ったまま、既読がつかないメッセージが変わらず浮かんでいた。
「あれ、もしかして」
「…お、漣ジュンくんだ。どうしたのこんなところに」
「やっぱそうっすよね。どうしたのかはこっちが聞きたいセリフっすよぉ、今日茨と飯なんじゃないんすか?」
「そうなんだけど連絡つかなくてね」
「えっ」
困ったなぁ、と頭をかけばジュンくんは眉間に深く皺を寄せた。
ポケットに手を突っ込みスマホを取り出すとどこかへと電話をかける
「あ、茨っすか。ジュンです。アンタまだ仕事して…え?あ〜なるほど。いや、茨が話してたAさんがいて、そうっす……」
俺が連絡しても既読すら付かないのに電話にはすぐ出るのか…と大人気なくもつい嫉妬してしまった。
そんなことを考えていればジュンくんはスマホを渡してきた。
画面には『コズプロ緊急連絡』と書かれている。
「茨っす。繋がってるんでこのままどうぞ」
「あ、ありがとう…」
生唾を飲み込み、そっと耳にスマホを当てた。
『Aですか、茨です。…本当に申し訳ありません。なんとお詫びすれば良いか。』
「うん、何があったのかだけ聞きたい」
『電話だと長くなってしまうので…今そちらに向かってます。あと10分お待ちいただけますか?無理にとは言いませんので帰っていただいても、』
「わかった。気をつけて」
そう言って通話を終了する。
電話の向こうから少し息が切れているところと、風の音が聞こえてきたあたり、きっとかなり急いで向かっているのだろう。
電話に夢中になり事故でも起こされた方が嫌だ。
今はただ、茨に何事もなくて安心した。
「ありがとうね、ジュンくん」
「いえ、大丈夫っすか?」
「うん。君のおかげで茨の声が聞けてよかったよ。恥ずかしながらひとつしか連絡先知らなくて」
「お役に立てたなら良かったですよ。夏とはいえ、暗いんで気ぃつけてくださいね。」
「あはは、こんな男が何されるわけでもないでしょ」
「わかんないっすよぉ、世の中。んじゃ、俺は先に失礼しますね」
「うん。おやすみ」
ひらり、と手を上げそのまま先を歩いて行った。
俺は街灯に背を預け静かに目を閉じて待った。
223人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はなちゃ(プロフ) - サンゴさん» コメント、応援ありがとうございます!!すごくすごく嬉しいです!!🥰仕事忙しかったり書いてもなんか違うなって消してばかりで更新遅くてごめんなさい、、!頑張りますほんとにありがとうございます❤️ (2023年1月27日 19時) (レス) @page25 id: 2736857ed6 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - はじめまして!この作品が大好き過ぎてコメントしてしまいました!!ずっと応援してます!!茨とイチャイチャさせていただいて本当にありがとうございます!!!!!(早口)頑張ってください!!! (2023年1月23日 23時) (レス) @page25 id: e71bbd766c (このIDを非表示/違反報告)
yu- - いえ、我儘言ってすみません。とてもおもしろかったです😊 (2022年11月20日 10時) (レス) id: f02eee6231 (このIDを非表示/違反報告)
はなちゃ(プロフ) - yu-さん» コメントありがとうございます☺️最低評価をいただいたのでモチベがなくなってしまいまして…申し訳ありません🙇🏻♀️ (2022年11月19日 11時) (レス) id: 2736857ed6 (このIDを非表示/違反報告)
yu- - え、続きすごく気になるんですけど ... (2022年11月19日 11時) (レス) @page14 id: f02eee6231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はなちゃ | 作成日時:2022年11月2日 14時