プロローグ ページ1
.
｢お〜い、茨〜遅刻だよ｣
｢ん…どうせ遅刻ならあと1時間寝る〜…｣
｢そんなこと言ってると教官殿呼んじゃうぞ！｣
｢わ！！それはダメ！起きるから！｣
ガバッと薄汚い毛布を投げて立ち上がった。
臙脂のサラサラな髪の毛に少しだけ寝癖がぴょこぴょこと揺れている。
それを見て小さく笑えば、茨は首を傾げた。
｢まぁ、遅刻なんて嘘だけどね。まだ15分あるからゆっくり支度しな｣
｢また騙したな〜！？前ほんとに遅刻だったからわかんないんだよ…｣
｢しっかり起きれば俺に騙されることもないのにね？｣
｢〜〜っ！意地悪すんな！べーー！｣
｢あはは！それクソガキっぽくて可愛いなぁ｣
｢俺は可愛くない！｣
なんて悪態をつきながらも、いつもみたいにヘアゴムを俺に投げ渡してきた。
背を向けて俺の前に座る。
脳天辺りから順に髪を持ってきて、後ろで纏める。
横から落ちることもないし随分と長くなった。
｢茨｣
｢ん、なに？｣
｢髪切らないの？｣
｢…別にいいじゃん｣
｢俺と同じになっちゃうよ…あ、もしかしてそれ狙って〜｣
｢違うし！切ってバサバサするのが邪魔なの！｣
｢そういうことにしとこ〜っと、ほい、できた。早朝訓練行こうか｣
振り返った茨は少し頬を赤らめながらありがとう、と小さく言った。
小さな頭を、髪型が崩れないよう優しく撫でた。
年齢はさほど変わらないのに小さい弟のようでつい守ってあげたくなる。
元気な大人になってくれよ、茨。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 224人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はなちゃ(プロフ) - サンゴさん» コメント、応援ありがとうございます！！すごくすごく嬉しいです！！🥰仕事忙しかったり書いてもなんか違うなって消してばかりで更新遅くてごめんなさい、、！頑張りますほんとにありがとうございます❤️ (2023年1月27日 19時) (
レス) @page25 id: 2736857ed6 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - はじめまして！この作品が大好き過ぎてコメントしてしまいました！！ずっと応援してます！！茨とイチャイチャさせていただいて本当にありがとうございます！！！！！(早口)頑張ってください！！！ (2023年1月23日 23時) (レス) @page25 id: e71bbd766c (このIDを非表示/違反報告)
yu- - いえ、我儘言ってすみません。とてもおもしろかったです😊 (2022年11月20日 10時) (レス) id: f02eee6231 (このIDを非表示/違反報告)
はなちゃ(プロフ) - yu-さん» コメントありがとうございます☺️最低評価をいただいたのでモチベがなくなってしまいまして…申し訳ありません🙇🏻♀️ (2022年11月19日 11時) (レス) id: 2736857ed6 (このIDを非表示/違反報告)
yu- - え、続きすごく気になるんですけど ... (2022年11月19日 11時) (レス) @page14 id: f02eee6231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はなちゃ | 作成日時：2022年11月2日 14時
