【七種茨】Hug 2

狂気の愛 ページ4

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ライブが終わったのか、遠くから人の声が多く聞こえてくる。

無事に終わって良かったと思う気持ちと、
目の前のこいつが暴れて他の人を傷付けたらと思う焦りの気持ち。


せっかくEdenのみんなが頑張って楽しませて盛り上げたステージを負の感情になるような終わらせ方はしたくない。



｢あっライブ終わったのかなぁ？…ふふ、人がきたらどうしましょっ｣



見た目に合わない鋭いナイフを持ったまま、イカれた表情で笑っている…。気持ちわるぅ…

睨みつけながら頭をフル回転させた。
他人を巻き込むくらいなら自分が犠牲になるか？



『A、聞こえますか。茨です』



冷や汗が頬を伝った時、インカムから冷静な声が聞こえた。

ここで返事をすればこいつにバレてしまう。
顔に出さないように注意して耳を傾けた。



『カメラの位置が悪く、そちらの正確な情報がわかりません。…ただ最悪な状況なのは把握してます。会場からファンの方が出ていくのでそれまではなんとか耐え｢巴さんひとつ聞いていいですか？｣

｢…はい｣

｢下のお名前はっ、なんていうんですかぁ？｣



茨の話の途中で話しかけられてしまった。
ニコニコと笑っているように見えるが、歪んだ愛に溺れた姿にも見える。



｢今ここでそれを答えて何になるんです？｣

｢ん〜っあとで聞けないから今聞いてますう！｣

｢それはどういう、｣

｢あれっあれれっ！頭良さそうなのに分からないんですね…そんなところもかぁわいっ！生きて連れて帰りたいですしぃ、努力もしますけど…ドジしちゃったらお話できなくなっちゃうのでっ｣



は…？何言ってるんだこいつ、
狂気でしかないそいつのセリフはつまり、殺すかもしれないということ、



『クソ…、』



インカムの向こうの茨も今の会話で察したようだった。
これは観客捌けるまで耐えられないんじゃ、？

インカム→←警告

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