【七種茨】Hug (ページ11)

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興味ページ11

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一度弓弦から聞いたことある存在
自分と同じように幼い頃施設の前に置いていかれた子がいた、と。

弓弦は元々姫宮の使用人としてこの世に生を受け、生涯それを背負って生きていく者。
それとはまた違う、貴族にボディガードとして選ばれるくらいの能力を持ったやつだと聞いた。
......女だったが

まさか成長してからもその名を聞くとは。
しかも同じユニットのメンバーに深く関係しているなんて思いもしなかった。

遅刻したジュンに最初から説明し、気づけば短い時計の針はかなり進んでいた。

大きな溜め息を吐きながら近くの休憩室を見れば巴Aの姿。
パソコンを抱えたまま、興味だけで近づいた。

｢何をなさるおつもりで？｣

無視されると思ったいたため話しかけられた時点で衝撃だった。
その後も幾度か隠す気のない鋭い視線を感じたが、自分の視線は画面に向けたまま、何か動きがあればすぐ対応できるよう意識していた。

少し煽る言い方をすれば眉間に皺を残し、大きく息を吐いていた。
思ったより短気なのか？

視界に殿下の姿を捉えたため、気配を消し
Aが彼に夢中になっている間にデスクへと戻る道を歩いた。

久しぶりに弓弦以外の面白い人間に会った。
昔の感覚が引き出されゾクゾクと鳥肌が立つ

つい上がる口角を片手で覆い隠した。

巴A。
手のひらで転がそうなんて...まず出来ないだろう。
彼女の表情を自分の手で変えてみたいなんて、変な感情だ。