ただの友人6 ページ23
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｢ただの、友人やて｣
｢……そうかァ。｣
だってほんとのことだ。嘘はついてない
友人と動物園に行くだけのこと、
｢もしその友人ってのがオンナノコなら、どうなるかわかってんのか？｣
｢何言うとるの｣
｢俺っちは1アイドルグループのリーダーとしてまだまだお子ちゃまなこはくちゃんに教えてやっけど｣
｢ぬしはんなぁ！｣
｢まあまあ、こはくちゃん。ここは聞くっす｣
｢＿＿お前それ、もし上にバレて大騒ぎになったら困るの誰だと思ってんだ？｣
困るのなんて自分じゃないんか、
もしくは事務所…副所長はん？
はぁ？と眉間にシワを寄せながら焦りで回らない頭を回す。
そんなの、
｢…A、はん？｣
｢Aはんちゃんが誰か知らねぇけど。他のファンに責められるのはその子になる可能性があるんじゃねえの｣
｢責められる、｣
｢時代はネットだ。顔だって載っちまえば永遠に叩かれることだってあんだろ。好きなやつ守れねぇのに自分勝手に行動すんじゃねェ。｣
｢っ燐音はん！おおきに！！！｣
上手くやれよ〜と後ろから声が聞こえた。
気づいたら、カフェシナモンを出て、ESを出て、
ビル街へと来ていた。
Aの職場など知らないはずなのに
急いで持ってきたマフラーを巻いて伊達メガネと目立つ髪の毛をニット帽で隠す。
｢ねぇ｣
しまった。
焦りすぎて気配がわからなかった。
ただ振り返った先にいたのは、『好きな人』
｢Aはん！｣
｢さくらくん、こんなとこでどうしたの？｣
｢伝えたいことがあるんや｣
｢えっと、ここ人いるから…とりあえずウチくる？近いし、｣
｢えっ、ええの…？｣
まさかの展開に心臓が飛び出そうなくらい早く脈打つ
Aはんの、おうち……？
｢あれ、さくらくん？大丈夫？｣
彼もまだ思春期なのだ。
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作者名：はなちゃ | 作成日時：2021年6月26日 21時
