ただの友人7 ページ24
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｢お邪魔します…｣
｢ごめんね散らかってるけど｣
男の子を自宅に上げるなんて初めてだ、
しかも す…気になってる子。
散らかってるけど〜なんて言いながら昨日の夜暇だったから片付けた自分偉い！と褒めたたえていた。
｢そういえばAはん、帰るの遅ない？｣
｢あ〜…最近残業しちゃっててね｣
｢残業…うちの副所長はんもよくしとるわ｣
｢副所長さんも大変なんだねぇ｣
コートを脱ぎながらそんな他愛ないことを話す。
結構遅い時間だったのにあそこにいたのはなんでだろう
…てか、普通に家連れてきちゃったけど大丈夫なのかこれ
バレたら未成年アイドルに手出したやつってテレビ写っちゃうんじゃ…！？！？
｢Aはん｣
｢あ、ごめんどうした？｣
｢その…堪忍な。わしやっぱまだガチんちょやったわ、｣
｢こはきゅんはさ、分かりやすいよね｣
｢？｣
｢私の事、好きすぎ｣
大人の余裕を見せてやるぜ的なノリというか勢いでつい言ってしまったその言葉。
いや自惚れるな
てかちがったらどうする
途端に冷や汗が背中を流れる
僅かな沈黙。
それを破ったのはこはきゅんだった。
｢なに抜かしとるん｣
｢へ、｣
ヒヤッと頭が真っ白になる
やらかした
少し狭いアパートで、こはきゅんが私に近づく。
近づけば近づくほど小さくて綺麗な顔に、少しだけムッと眉間によった眉に、紫色の透き通った目に釘付けになってしまった。
｢Aはんのこと大事にしようと思ったとこやったのにな｣
｢ほんま、ずるいお人や｣
フルフルと首を振ってこちらを向くこはきゅん。
さっきより少しだけ困り眉になった。
一歩、一歩近づく。
｢Aはんもわしのこと好きやろ｣
｢っ…｣
そう言って唇が触れてしまいそうな距離で止まった。
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作者名：はなちゃ | 作成日時：2021年6月26日 21時
