ただの知り合い4 ページ15
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約束の日
新しく買ってしまった服といつもより2時間も早く起きて荷物の準備やメイクに力を入れてしまった
なにをしてるんだ…相手は16歳なのに、
待ち合わせは、月の塔…
シルバーピンクの時計は既に約束の時間15分前を指していた。
｢早く来すぎたかなぁ…｣
他にもここを待ち合わせにしている人はいるみたいで、若い男性から少し年のいった女性まで様々な人がいる
空気の冷たい12月、手に息を吐きながら彼を待った。
｢Aはん？｣
｢こは…、？｣
｢コッコッコッ上手く騙せてる？わしやで｣
｢！｣
｢久しぶりやね｣
黒い伊達メガネをして、ニット帽を被りマフラーを着けた彼。
すごく大人っぽくて全然わからなかった。
｢…ほんま可愛ええお人、｣
見惚れてたせいでマフラーに埋めて言った言葉は私に届かなかった。
｢こはきゅん、久しぶり。素敵な格好だね｣
｢…っ、おおきに。Aはんも耳飾りとかお洋服素敵やと思うよ。｣
｢へへ、ありがとう｣
なんだこのむず痒い感じ、
気を紛らわせようと少し髪を弄る
そこにそっと、こはきゅんの手が重なる。
ドキッと不覚にも私の心臓は口から出そうになってしまった。
｢髪型変えたんか？色もよう似合っとるわ｣
｢気づくの？すごい｣
急いでマフラーを上げ、熱が集まる顔を隠す
｢わしにはわかるで。…あ、あと今日はこはきゅんっち呼び方するとバレてまうかもやから、｣
｢うん、どうしようか｣
｢んー…同室のジュンはんはさくらくんっち呼び方しとるけど｣
｢Edenのジュンくんか！じゃあそうする！｣
｢知っとるんやね。 ほんならそれでよろしゅう｣
小声で呼び方作戦を立てた。
せっかく変装してきてくれたのに名前呼びでバレちゃったら…ね、
行こか、とそのままスイーツ食べ放題のお店へ足を運んだ。
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作者名：はなちゃ | 作成日時：2021年6月26日 21時
