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59Q 花言葉 ページ13

少し冷えた空気の中を二人だけで歩いて帰る。
「A」
名前を呼べば、隣にいるAがちらりと俺を見てなに、とだけ聞き返した。
機嫌があまりよくなさそうなのは明白だった。まあ、この場合の原因はおそらく俺なのだけれど。

「最近何か変わったことは」
「ないね」
「聞き方をかえよう。朝の件の心当たりはないのか」
「……さあ?」

Aはそう言って視線をそらしたが俺は見逃さなかった。
彼女の瞳が不安げにゆらり、と揺れていた。

「その様子じゃあるようだな」
「…おい、話を聞いてなかったのか?それに何を根拠にそんな。」

ふは、と息を吐くようにして嘲笑うAを見ていた。
「根拠、か。今さっきAの瞳が揺らいでいた。」
「は」
「……ふ、ふふ」
驚いた様な顔をして俺の顔をじっ、と見てくるAが可愛らしくて思わず笑ってしまった。
「何を笑って」
「いや、Aがとてもかわいくてね。」
「〜ッ、ふ、ふざ、けるなっ」
「本気なんだが?…真っ赤だな」
「誰の!せいだと!!!!」
「俺のせいだろ?」
笑いながらそう言ったら睨まれた。
といっても機嫌が悪くて睨まれているわけではないし、何より真っ赤な顔で睨まれているわけで。
効果なんて全くない。
いうならーーーー

「Aのその顔、凄くクる……ッぐっ!?」
耳元にでそっと呟けば、Aの体温が急上昇したのが分かった。
やはり可愛い、と思ったのもつかの間、みぞおちに強い衝撃。

殴られた。

「俺で遊ぶのも大概にしろッッッ!!!!!

「遊んでなんか…けほ、だからって殴ることは無いだろう」
「セクハラ反対だ!変態!!」
ひどい言われようで驚く。
俺にそこまで言うやつなんか他にいなかった。それが新鮮で、最早酷いことを言われている、とまでは頭が回らなかった。

あまりにもAが可愛らしい反応で怒るから仕方なく話題を戻さざるを得なかった。

「…Aは黒ユリの花言葉を知っているか」
少し痛むみぞおちをそっと押さえながら聞けば小さく、風にかきけされても仕方ないぐらいに小さく、Aが息をのんだのが耳に届いた。

「黒ユリの花言葉…」
ポツリと呟いてAは俺の瞳を不安そうに見つめた。
「そうだ。…知らないなら教えてやる。
花言葉はーー」

60Q 呪いともうひとつ。恋→←58Q ……へんなやつ。



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設定タグ:黒子のバスケ , 赤司征十郎 , ぴよこん   
作品ジャンル:アニメ
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*。赤司 妃奈 。* - どうも、はじめまして。とても面白いです!夢主ちゃんのゲスだけどツンデレなところすごく好きです!更新頑張ってください!応援してます^^ (2018年3月17日 8時) (レス) id: a4d7dc62f2 (このIDを非表示/違反報告)
夜魔音狐ぴよこん - 終わらせられるよう頑張ります。ゲス?な夢主ちゃんをよろしくお願いします! (2018年1月6日 8時) (レス) id: fadf33e0a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこん@赤司様信者なう(●▽○)(プロフ) - 鈴香さん» ありがとうございますっ!のんびりですがよろしくです! (2013年4月3日 19時) (レス) id: 09cfa6f755 (このIDを非表示/違反報告)
鈴香(プロフ) - 続編おめでとうございます!! 更新頑張ってください!! (2013年4月3日 4時) (レス) id: 035d68fc2a (このIDを非表示/違反報告)
琉星.。(プロフ) - ぴよこん@赤司様信者なう(●▽○)さん» 了解ですっwwではまたww (2013年4月2日 17時) (レス) id: b85de741ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜魔音狐ぴよこん x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/piyokon/  
作成日時:2013年4月2日 11時

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