嘘だらけの恋でした。【赤司征十郎】

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「美味しい!」





卵焼きを口に入れ、頬を緩ませる彼女





「スゴいね!いつも、こんなに美味しいお弁当食べてるんだ」





赤司「美味しいか..俺はいつも食べているから良く分からないな」





「..ごちそうさま」




赤司「こんだけで良いのか？」




「ほんとは食べたいけど..作った人はきっと君に食べてもらえるのを思ってるから
私が食べちゃ駄目だよ」






俺にはお腹が空いてならない顔に見えるんだが..





赤司「本当に良いのか？」





「..別にいらないよ」





赤司「そうか」





「待って」




赤司「何だ？」





「..何でも無い」





ころころと変わる表情
だが、俺は彼女を見たことが無い。本当に帝光中の生徒なのか..






赤司「君の名前は？」





「どうしてそんなこと聞くの？私達、今日限りで関わりが無くなるかもしれないんだよ」






赤司「それは、無いな 初対面で弁当を奪われて変態扱いされて..
　 君を素通りすることなんて出来ない」





そう言うと彼女は大笑いして
さっきの眼で俺に教えてくれた。






「星野A 宜しくね」




赤司「宜しく」





「本当に相変わらずだ..」





赤司「相変わらず？」





「..だって、入学式の頃思った君のイメージとまったく同じなんだもん」





赤司「そうか..」





どれくらい彼女と話したかは分からないが とても、楽しかった。

Aは屋上の下を眺め..喜んだように言った。




「あ..」






赤司「どうした？」





「桜が咲き始めてる!始まるよ!春が!!」





どうしてそんなに春で喜んでるのか分からないが..
幼い子供のように笑っている顔を見るとこっちまで笑顔になった。






「やっと..やっとだ」









君の側でやっと..

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