LOVE ME LOVE ME

４：Maybe the perfect potato ページ10

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ジュンギさんはうちの事務所の代表だ。

有能であり有名な設計士で、つまり社長。



けど、ぜんぜん威張ったりしてなくて

どっちかって言うと、偉い人には見えなくて




｢賑やかだなー。何？なんの集まり？｣



長めの袖から覗かせた指先をぴらぴら振り
総勢７人が取り囲む丸いテーブル席へ歩み寄ると

目尻を下げた人懐こい笑顔の代表が
次は両手を腰に当て、俺たちを見回した。




｢高校の先輩たちです。アヤはご存知でしたよね？
ついでにこれは実の姉です。｣

｢彼女さんは前にチラッと。
彼は所内であなたの自慢ばかりしてますよ。｣

｢いつもお世話になってます。｣




こういう時、率先して仕切るのがユン。
ダンス部でチームを纏めてたのもこいつだった。

瞬時に綺麗な笑顔を作り上げたアヤちゃんは
さすが弁護士先生。数分前とはまるで人が違う。



ジヌひょんもニコニコしてるけど
たぶん、内心は特に何も考えてない。

ミノは自分も彼氏の紹介をされないか
ハル先輩に目配せしながらソワソワしてる。


ついで扱いされた実の姉はと言うと




｢ダイエット中のわりによく食べるね。｣

｢あっ！しまった...｣




サンチュで包んだ肉を口から半分だしたまま。

Aヌナの意識を、こっちへ呼び戻したのは
マジマジとジュンギさんを観察してたから。



別に嫉妬ってほどのもんじゃない。

どうせイケメンに見惚れてただけだろう。


ジュンギさんは、男から見てもかっこいい。
それは容姿を含め、肩書きや性格も。


施工事例の完成度も他所より群を抜いて高いし

むしろパーフェクト。尊敬してるし、憧れの存在。



でもAヌナのタイプじゃない。

確かに完璧でかっこいいけど
Aヌナのタイプからは外れてる。




｢あんまり飲みすぎんなよー。
明日は朝からミーティングだからなー。｣




はーい、と

俺とユン。ハル先輩のそれぞれ違う声が返事をすると

ネイビー色のトップスが颯爽と遠ざかり
結局 紹介されなかったミノが拗ね始めた。



下の者のプライベートにまで、首は突っ込まない。

しっかり一線を引いてくれる気遣いも
俺がジュンギさんに憧れる理由のひとつ。




安心してたんだ。

ヌナはイケメン好きだけど
元カレたちとは系統が違うから。


それにまず有り得ない話。

ジュンギさんとAヌナは無い。
無いに決まってる。




そう確信してた。考えもしなかった。


不安要素なんて、ぜんぜん無かったんだ。




この時は、まだ...

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