LOVE ME LOVE ME

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Aヌナとの出会いは、高校3年の時だった。


新年度恒例、ダンス部の合宿。

最終日が終わり、ぞろぞろ並んで校門を出たら


ユンを迎えに来てたんだ。

買ったばかりの車を自慢するために。


窓から幸せそうな笑顔を出すヌナが

もう弟の彼女だった自分の友達を助手席に乗せて。




可愛いなって、シンプルにそう思った。

嫌がるふりして、ユンも実は喜んでてさ。


スタイル抜群ってわけでもない。

街中の男が振り返るほど美人ってわけでもない。


だけど俺は、その笑顔に恋をしたんだ。

見た人を幸せにする、彼女の笑顔に恋をした。




だからしょうがないじゃん？

結局好きなんだから、しょうがない。


彼氏はいつも顔で選ぶし
それが笑えるほど見事にダメ男揃いだし

男を見る目は、確かに無い。
ダイエットなんかいつも口だけ。


正直者のお腹は嘘が吐けないくせに
簡単に見破れる言い訳で誤魔化そうとするし

毎月の終わり頃には
ご飯を抜くほど金欠になっちゃう。

好きなものに対する意思が、ことごとく弱いから。


もっと視野を広く？彼女でも作れって？

もしも俺がこの先、他の誰かと付き合ったら
しつこく根に持って、一生文句を言うくせに？


だけど しょうがないんだ。

そんなの、とっくの昔に試したよ。

もっと見る目を養ってくれれば
俺だって諦めが付くかもしれないけど


いっつもフニは無いって、言われてんのに

もう諦めようと、別の誰かを見てみても






｢あのさフニ。私、今日はダメって言わなかった？｣

｢うん。読んでないから知らない。｣

｢わざとでしょ？｣




他の子じゃ長続きしないのは

口ではそう言いながら
店の裏口で待ってた俺に見せる笑顔が


やっぱり最っ高に可愛くて

どうしたって心から、出てってくれなくて




｢それより早く行こ。みんな待ってる。｣

｢みんなも居るの？｣

｢当然じゃん。アヤちゃんもハル先輩も居るよ。｣




ほら。また笑った。

俺ってAヌナを笑顔にさせる天才なんだ。



もう行く気満々で歩き出して
ヌナの弱い意思は、すぐに心変わりするけれど

あれから無駄に通い詰めたユンの家や
こうして通い続けるヌナの職場で

ちゃんと見続けたから、ちゃんと知ってる。


Aヌナのそうなるのは
幸福指数が上がるってわかった時だけ。

意地っ張りで見栄っ張りだから
自分の優しさを、見せずに隠しちゃう。


本当にどうしようもない人だったら

こんなに長い間、想い続けらんないよ。

３：A bit stupid nuna→←▼

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