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「あなたがAちゃん?」

「は、はい...っ!!」



手続きも終わり病院を出ると

借り物のアウディに辿り着く前に
ビクっと背中が伸びて、恐る恐る振り向いた。



「初めまして。ジュンギの妻です。」

「はっ...じめま...して.... 」



もちろんそこには、美人の奥さん。

旦那様は少し離れた場所でフニと雑談してる。



同じ人間とは思えないほど綺麗なのに

どこか親近感のある奥様は
チェックのシャツと、シンプルなデニム。


夫婦揃って爽やかな風を吹かせるとは...

この夫婦、ビジュアル強過ぎ...。



「ちょっとお話出来る?」

「...はい、よろこんで... 」



活気の無い居酒屋店員みたいな返事だな。

だけど、そう言われて避けるわけにはいかない。



私が勝手に好意を寄せてただけで

ジュンギさんも私も
身の潔白には自信を持っているのに



やっぱり、後ろめたくて

浮かれた自分を思い出したら
私に笑顔を見せる奥さんに申し訳なくて



トーク履歴は、なんでもなかったはず。

お店に来てくれた時も、したのは接客だった。


でも私は、彼女の旦那様と食事に行ってる。

ランチとは言え、ふたりきりでだ。



その全部が、とてもやましいものに思えた。


軽率な自分の行動に責任を感じて

知らなかったにしろ
伸し掛かる罪悪感に押し潰されそうで...



「ジュンギってチャラいでしょ?」

「へっ...?」

「昔っからそうなのよ。
だから、付き合うのずっと躊躇してた。」



どこかで聞いたことのある話。


怒られるか、罵られるか

平手打ちだって覚悟したのに。



「さっきね、旦那から少し聞いちゃったの。
ひとつだけ聞いても良い?」



その権利がある奥さんが悪戯っぽく笑ったら


夫婦は似るって、ほんとだなって

そうじゃなくても、お似合いだなって



「Aちゃんは誰の心配した?」

「え...?」

「誰が心配で、誰を失いたくなくて
そんなになるまで泣いちゃったのかな?」



この質問は予想外だったけど

廻り道は、もうやめよう。


よく似た何気ない分かれ道は、もう間違えない。




「フニ...です。」



まだ少し躊躇いながら

だけどそう言って、真っ直ぐ前を見たら


空が清々しく、青く晴れ渡ってる。

わかって選ばなかった臆病な自分も
ヘギョさんに、心からの笑顔を見せていた。






「だってさ、フニ。」

「みたいですね、ジュンギさん。」

「はい。私たちの出番は終わり。帰るよジュンギ。」

「え...え、えぇっ!?」

▽→←15:A bit stupid nuna



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はなごん(プロフ) - さあとさん» さあとさん!お久しのぶりなのですヾ(^。^)ノWINNERちゃんのお話でしたが、読んで頂きありがとうございます*(^o^)/* また書けるかなww ふにくんのこのお話以降ずっと書けずにいますが、奇跡的に執筆の神が降臨した際はよろしくお願いします(*´□`*) (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - マイさん» あわあわヾ(・ω・`;)ノ返信が遅くなり申し訳ありません(;´д`)久しぶりの浮上にもかかわらず読破頂き嬉しいです( *´艸`)ふにちゃんの彼氏感はもう罪ですよね← (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - わぁお久しぶりです(^^)たのしかったぁ(^^)(^^)またの投稿お待ち申し上げております(^-^) (2019年9月18日 12時) (レス) id: 922fb22c2f (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - またはなごんさんの作品が読めて嬉しかったです\( Ö )/ふにちゃんに振り回されたい...... (2019年9月16日 22時) (レス) id: ef8fe776db (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - Raylaさん» 久しぶりの妄想劇場にいらして下さりありがとうございます(´∀`*)もし一途な年下くんを発見致しましたら、是非ともはなごんにもご一報下さいませ(」゜口゜)」 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなごん | 作成日時:2019年8月31日 16時

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