検索窓
今日:36 hit、昨日:3 hit、合計:29,457 hit

ページ37



「それ、お前に言う必要ある?」

「俺が知りたいんで。」



ナビはまだ直進を示してる。


思わず踏み込んだアクセルから力を抜くと

真っ直ぐ前だけを見て、呼吸を整えた。



「はっはーーん。やっぱりな。
けどAちゃんてフニの彼女だっけ?」

「でも俺はAヌナが好きです。」

「つまり片想いか。」

「そうですけど?」

「だと思った。」



整えたのに、悔しさの滲む溜息をまた吐いて。


相手は自分が働く会社の社長だ。

なのに負けじと応戦しながら
今度は指先でハンドルを叩き始めたのは

まるでわざと刺激を与えるようなジュンギさんが
シートごと体勢を起こし、こっちを見て笑うから。



何がそんなに楽しいのか知らないけど

運転中の俺は、何ひとつなんにも楽しくない。



ずっとこの人に憧れてたのに

ただイライラが募って


その憧れがまだ残ってる反面で

ただただムカついて



ジュンギさんの下で一人前の設計士になることが
ブレずに今まで追い掛けてきた、俺の夢だった。

建築士としても、代表者としても

上司としても、男としても



俺はずっと、この人のようになりたかった。

憧れてたんだよ、ほんとにすごく...。




「あのさーフニ。例えばもし俺がAちゃんのことを好きだとして、お前の許可は要らないよな?」

「....... 」

「彼氏でもなんでもない ただの友達のお前には
それを知る権利も、口を挟む資格も無いだろ。」



だからってわけじゃない。

言い返せないのはこの人に憧れてるからじゃなくて


ジュンギさんに言われた通り
彼氏でもなんでもない、ただの友達の俺に

その全部を確かめる権利も
そこに口を挟む資格も無いからで



けど、言われなくてもわかってんだ。

言われなくても重々理解してる。



それでも阻止しなきゃ。

なんにも知らないAヌナを
弄んでくしゃくしゃにするつもりなら。

無責任にヌナを傷付けようとするのは許さない。




あーあ。まったく俺も大バカだよな。


ぜーんぜん報われないのに

なんでこんなに、Aヌナのことが好きなんだろ。




「なー、フニ。
無いなら権利も資格も作れるんだぞ。」

「え?」

「お前次第でどうにでもなる。
てかフニは知ってるだろ?俺には...」



何が俺次第なのか。どう作れるのか。

ジュンギさんが何か言いかけた、その先も




後方から襲った突然の衝撃が

続きを聞く時間を奪い取ってしまって



脳裏に映し出されたのは、みんなの笑顔だった。

13:A bit stupid nuna→←▼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
132人がお気に入り
設定タグ:WINNER , スンフン , フニ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

はなごん(プロフ) - さあとさん» さあとさん!お久しのぶりなのですヾ(^。^)ノWINNERちゃんのお話でしたが、読んで頂きありがとうございます*(^o^)/* また書けるかなww ふにくんのこのお話以降ずっと書けずにいますが、奇跡的に執筆の神が降臨した際はよろしくお願いします(*´□`*) (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - マイさん» あわあわヾ(・ω・`;)ノ返信が遅くなり申し訳ありません(;´д`)久しぶりの浮上にもかかわらず読破頂き嬉しいです( *´艸`)ふにちゃんの彼氏感はもう罪ですよね← (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - わぁお久しぶりです(^^)たのしかったぁ(^^)(^^)またの投稿お待ち申し上げております(^-^) (2019年9月18日 12時) (レス) id: 922fb22c2f (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - またはなごんさんの作品が読めて嬉しかったです\( Ö )/ふにちゃんに振り回されたい...... (2019年9月16日 22時) (レス) id: ef8fe776db (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - Raylaさん» 久しぶりの妄想劇場にいらして下さりありがとうございます(´∀`*)もし一途な年下くんを発見致しましたら、是非ともはなごんにもご一報下さいませ(」゜口゜)」 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はなごん | 作成日時:2019年8月31日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。