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ひとりで悩むのは嫌い。


いつ、どこで、どうして

ひとりで考えたって
答えになんか辿り着くはずがないから。




「お前ってさー、運転上手いよなー。」

「よく言われます。」




高速道路に上れば、しばらくは道なり。

ほとんど直進してるだけなのに

謙遜しない俺の返事に
あははっと、すぐ隣で笑い声が聞こえて




「ジュンギさん、Aさん知ってますよね?
ユンのお姉さんのAさん。」

「Aちゃんね。最近よく会ってるよー。」



今だ、ってそう思った。


こうして代表とふたりきりになる機会を

どっかで怖がりながら、でも待ってたんだと思う。




「知ってるっていうか、俺とAちゃんの初対面は
お前も一緒だったろ?ほら、焼肉屋。」

「そうですね。そうでした。」




助手席を倒し、両手でスマホを弄るジュンギさん。

ぎゅっとハンドルを握り直すと
噛み締めた唇に、ビビるなって念を送るけど



Aちゃん、なんて

当たり前のように馴れ馴れしく呼ぶ代表が
チクチク痛い針の山を、胸ん中に刺してきた。


最近よく会ってる、なんて

悪びれる様子もなく微笑んでる代表も
大きくて太い杭を、どすんと振り落としてきた。




「あの子ってほんと可愛いよなー。
俺と歳は近いのに、天真爛漫な子供みたいで。」

「...あの、ジュンギさん、」



だけどやっぱり、その両方がムカつく。

Aヌナのこと全部知ったような今の口振りも
すげームカつくし、ヌナのこと全然わかってない。


傷付きやすくはないけど
たまにでっかい傷作って凹むんだ。

凹んでるくせに凹んでる自分が嫌いで
無理して笑ったり、変に明るくなったり。


周りにも心配させたくないから
自己処理でなんとかしようとするんだけどさ

それならまだマシな方で
本気で凹み出すと引きこもるんだよ、あの人。


ナメクジみたいにジメジメして
人との関わりを、出来る限り避けようとする。

それが例え、アヤちゃんやハル先輩や
ユンやジヌひょんやミノ。俺たち身内であっても。




「なんで代表はAヌナに構うんですか?」

「はっ?」



『いつ』と『どこで』は大目に見たとして

どうしてAヌナを、そんな風に見てるのか。



「好きなんですか?Aヌナのこと。」

「あー、そういうことね。」



核心に触れたその質問を鼻で笑う代表には

その資格は無いはずだ。
少なくとも俺は、無いと思うから


ひとりじゃ辿り着けない答えに

ひとりでなんか、悩まない。

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はなごん(プロフ) - さあとさん» さあとさん!お久しのぶりなのですヾ(^。^)ノWINNERちゃんのお話でしたが、読んで頂きありがとうございます*(^o^)/* また書けるかなww ふにくんのこのお話以降ずっと書けずにいますが、奇跡的に執筆の神が降臨した際はよろしくお願いします(*´□`*) (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - マイさん» あわあわヾ(・ω・`;)ノ返信が遅くなり申し訳ありません(;´д`)久しぶりの浮上にもかかわらず読破頂き嬉しいです( *´艸`)ふにちゃんの彼氏感はもう罪ですよね← (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - わぁお久しぶりです(^^)たのしかったぁ(^^)(^^)またの投稿お待ち申し上げております(^-^) (2019年9月18日 12時) (レス) id: 922fb22c2f (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - またはなごんさんの作品が読めて嬉しかったです\( Ö )/ふにちゃんに振り回されたい...... (2019年9月16日 22時) (レス) id: ef8fe776db (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - Raylaさん» 久しぶりの妄想劇場にいらして下さりありがとうございます(´∀`*)もし一途な年下くんを発見致しましたら、是非ともはなごんにもご一報下さいませ(」゜口゜)」 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなごん | 作成日時:2019年8月31日 16時

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