LOVE ME LOVE ME

12：Maybe the perfect potato ページ34

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目が覚めればいつもと同じ景色。


顔を洗って歯を磨いて

今日は何を着て行くか悩んで。



けど、5分で決まる洋服に着替えると

30分後には、もう自分のデスクに座ってる。




生活は変わらない。


事務所へ行けば、ひたすら図面を引いてるし

山積みのカタログから
クライアントが望むクロスも探すし


現調に出掛けたり、ミーティングしたり

ユンをからかったり
それで煩い！って、ハル先輩に怒られたり。



腹が減ったらご飯を食べる。

退勤時間になれば、家に帰る。


オットュの散歩にも行くし

暇だったら誰かと遊ぶし



だけどこの6日間は家に居る。

オットュは遊ぶ時間が増えて嬉しそうだ。





｢フニひょん、これどうぞ。｣

｢...あー、サンキュ。｣



出社時間ギリギリで間に合ったユンは

どうせアヤちゃんと
今朝もジヌひょんとこに寄って来たんだろう。


なのに不機嫌そうに口を尖らせて

一生懸命データ開いてウィーンと頑張るPCの本体前に、裸のままの保存容器を置いた。



中身は茶色。

聞かなくたって、なんだかわかる。




｢前髪ちょんまげしてブサイクだった。｣

｢そっか。でもお前のねーちゃんは可愛いよ。｣

｢独り暮らしのくせにすげー大量に作ってた。｣

｢いつものことじゃん。ありがとうって言っといて。｣



スペアリブはヌナの得意料理だ。

そんな風には見えないけど
昔から、何を作っても成功する。




生活も、環境も変わらない。


職場が同じ高校時代からの友達はヌナの弟で

その友達は、Aヌナの親友と付き合ってて


また別の友達は、ヌナと同じ職場で

また別のヌナの友達は、俺の上司で先輩で


そのふたりまで付き合ってるから

俺を取り巻く相関図は、だいぶ密集してるんだ。



例え俺だけがAヌナを断ち切っても

そこは変わらないし、別に変わらなくていい。




俺が居なくても

Aヌナが笑ってるならそれでいい。


俺が幸せにしなくても

誰かに幸せにしてもらうならそれでいい。



ゴミ袋に穴が空いてんのも気付かず使っても

なんだこれー！って、爆笑するのがAヌナで


一生懸命ヌナに恋してた俺の気持ちが

何ひとつ届いてなかったんなら







｢あのさーフニひょん、｣

｢あ、そういえばユン。
こないだハル先輩が言ってた新築工事なんだけど ｣





いい加減、諦めないと。


彼女の生きる時間を

光で満たし、キラキラ輝かせるのは




" 彼氏ごっこ ”してた、俺じゃないから。

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