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『痛っ... 』


『あーあ。何やってんだよAヌナぁ 』


『ちょっとだし。大した怪我じゃない。』


『ほんとだ。大したことないや。』




いつだったか、私が包丁で指の先を切った時。

確かあれは、去年の夏だった。


誰を励ますためだったのかは忘れたけど

私の住むアパートには屋上がある。
そこでBBQしようぜって。



その下準備を部屋でしてたら

野菜を切ったついでに、指先も切ったんだ。

隣で私の手元を眺めてただけのフニは
手伝いもしない上に、怪我人を労わりもしなくって




『あんたねぇ...っ 』


『自分で言ったんだろー。
Aヌナ、カルシウム足りてる?』




けど、ほんとに大した傷じゃなかったから


いつもするように

意地悪言って、私をからかってたのも




『フニももう上に行けば?』


『わかったわかった。俺が悪かったって。
絆創膏 貼りましょーねー、Aちゃん♪』




悪くもないのに謝るのも

痛いって言ったらすぐに掴まれた手首を
子供扱いしながら引っ張るのも



それがいつも通りのフニで

昔から私が知ってる、いつものフニ。



痛いの痛いの飛んでけーって

小さな傷に絆創膏を貼ってくれたら、やっぱりまた


なんだか楽しそうに笑いながら、あのサボり魔は

隣で私の手元を、眺めるだけだったな。




あーそうだ。

言い出しっぺのユンが上で火熾しをしてたんだ。


ミノとふたりで張り切ってたくせに

結局アヤとハルちゃんが成功させたんだった。



ジヌちゃんは何してたっけ。

お腹をいっぱいにしたあとに
花火をぐるんぐるん回してたのは覚えてる。





「またやりたいな、BBQ...」




缶ビールが空になった。

でもまたご飯は完成してない。



ロック画面の中で
ぎゅうぎゅう詰めに納まる私たちは

カメラ好きのユンが立てた三脚を向いて

あの日の笑い声まで聞こえてきそうだけど




履歴の1番上は、フニの代わりにジュンギさん。

写真の中で私の肩を抱くジャガイモは
それでも昔から、恋愛対象から外してる。


ジュンギさんの何がいけないのかも
どうやら教える気が無さそうだし

質問じゃなかったしまーいっかって、昼間に既読を付けただけの彼からのメッセージを開くと




古臭いインターホンが鳴って

スマホを放り投げ玄関へ走る ちょんまげの私。



たった数メートルの距離で

悩んでた胸は最高潮に高まってた。







「はいっ!!」

「は?ヌナ何考えてんの?
相手が誰かも確認しないで開けんなバカ。」

12:Maybe the perfect potato→←▽



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はなごん(プロフ) - さあとさん» さあとさん!お久しのぶりなのですヾ(^。^)ノWINNERちゃんのお話でしたが、読んで頂きありがとうございます*(^o^)/* また書けるかなww ふにくんのこのお話以降ずっと書けずにいますが、奇跡的に執筆の神が降臨した際はよろしくお願いします(*´□`*) (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - マイさん» あわあわヾ(・ω・`;)ノ返信が遅くなり申し訳ありません(;´д`)久しぶりの浮上にもかかわらず読破頂き嬉しいです( *´艸`)ふにちゃんの彼氏感はもう罪ですよね← (2019年9月19日 14時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - わぁお久しぶりです(^^)たのしかったぁ(^^)(^^)またの投稿お待ち申し上げております(^-^) (2019年9月18日 12時) (レス) id: 922fb22c2f (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - またはなごんさんの作品が読めて嬉しかったです\( Ö )/ふにちゃんに振り回されたい...... (2019年9月16日 22時) (レス) id: ef8fe776db (このIDを非表示/違反報告)
はなごん(プロフ) - Raylaさん» 久しぶりの妄想劇場にいらして下さりありがとうございます(´∀`*)もし一途な年下くんを発見致しましたら、是非ともはなごんにもご一報下さいませ(」゜口゜)」 (2019年9月8日 21時) (レス) id: 7f7b5ebcca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなごん | 作成日時:2019年8月31日 16時

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